待ち望まれていたロスレス対応のBluetoothトランスミッターがついに発売。こっちは多機能アプリ対応、ボタンもついてるぞ!
Creative BT-W6がついに発売
以前からでるぞ、でるぞ、と言われてきたCreative社の人気USB Bluetoothトランスミッターシリーズの最新版がついに10月23日に発表とともに発売となりました。それが”Creative BT-W6“。 Qualcomm aptX Lossless対応としては史上初!となる予定だったのだが、同じ中国メーカーのFIIOに先を越されてしまいましたが、あちらはまだ日本では発売されておらず(10月中に発売のウワサ)、グローバルでの発売は「史上初」のロスレス対応USB Bluetoothトランスミッターとなりました。(といいつつも、米国・中国・台湾のサイトを見ても出てこないんだよな、英国にはあるみたい。日本は先行販売?)
で、これ何が求められていたかというと、先ほどから何回も繰り返している「ロスレス対応」というところ。正式にはというかちゃんとした名前としては“Qualcomm aptX Adaptive内包のQualcomm aptX Lossless”に準拠したトランスミッターということなのですが、Bluetoothトランスミッター云々については以前のFIIO BT-11のページでも説明したのでそちらは今回省略して、”aptX Lossless”を少し説明。昨今ではメジャーになりつつあるが、スマホSoCの雄 Qualcommが提供している最新の”ハイレゾ”Bluetooth Codecのひとつ「aptX adaptive」のスキームの一つとして位置づけられているもの。昨今ではハイレゾといえば”LDAC”という風潮が根強くなっているが、LDACもAppleのAACも、普通のaptXも今まで世に出てきたBluetoothのCodecは音質の良し悪しの差はあれ、どれも「圧縮音楽」でしかなかったということ。つまり家で聴くスピーカーや有線で繋がれたイヤホンやヘッドホンであれば余すところなく堪能できていた高音質の「一部がカットされて」送信されていたのがBluetoothの音だったわけ。つまりどうしてもワイヤレスイヤホンなどでは「ハイレゾ」というカッコ付きの高音質でしか高音質を疑似対応で聴くしかなかったわけだ。
そこでaptX Losslessの登場。といっても発表はもう3年前の2021年だったので、だからこそ待ち焦がれていた人は多かったのだが、ついにワイヤレスイヤホンでも削られたところのないハイレゾを堪能できるようになったというわけ。技術的な表現だと、CD音源レベルの高音質ををロスレス:16bit/44.1kHzで配信と受信ができるようになったのだ。それを実現したのがQualcommのSnapdragon Soundというプラットフォームがあってこそなせる技で、送信機側(スマホやPC)と受信機側(イヤホンやヘッドホン)双方がこのプラットフォームに準拠していなければだめなので、だれもが広く簡単に享受できるってわけじゃないのが注意のしどころ。
でもその垣根を少し下げてくれるのが、今回発売されたBT-W6であり、ライバルのFIIO BT-11なのだ。これはaptX Lossless対応ではないスマホやPCに、ちっちゃなUSBドングルと称される小さなデバイスを接続することで、イヤホンさえ対応していればaptX Lossless対応ではない端末からもCD音源から何も削らない音を堪能できるのだ。昨今ではaptX Lossless対応といわれるイヤホンも続々と登場してき始めているので、待ち焦がれていた人もイソイソとしていたんだと思う。 一方のFIIO BT-11は先行して発売はされたものの、中国位でしか販売がなく、尚且つSNSでささやかれるバグや、FIIO自身も「これまではテスト販売だったが」とまで言っちゃう始末で、アプリが物足りなかったり一部で期待以下のパフォーマンスだったりで、猶更aptX Losslessを早くクレー状態になってたのだ。もちろん今までも使えなかったわけではなく、日本ではXperia1ですでに対応しており、中国/台湾メーカーではXiaomiやAsusも既に対応スマホを出していたので、そちら経由では聴けたのだ。ただ同じアンドロイドでもGoogleのPixelやSumsangのスマホなど一部Qualcomm以外のSoCを使ったスマホではaptX自体対応していないのでロスレスも試せなかったし、一番ユーザー数の多いiPhoneに至ってはaptXどころかLDACさえも標準では非対応なので、最新ハイレゾワイヤレスイヤホンを購入しても、非ハイレゾコーデックのAACで「ハイレゾイヤホン」を生煮えでしか使用できなかったというわけだ。
いざ、お披露目 (うんちくいらないわい、ってひとはこちらから)
で、発表の10/23当日に予約して、25日に配達されたのがこちら。ちなみに基本Creativeストアという直営のオンラインストアでしか購入できないので注意。アマゾンとかで購入できないのだ。ただ「Creative BT-W6 優待アップグレード」としてこれまでのBT-Wシリーズ製品を持っている人はサイトからコードを入力することで期間限定で15% OFFになるので購入を検討している人はお早めに!(有効期限~2024年11月8日11:59AMまで)
パッケージはスマホの4/5くらいの薄くて小さな箱。万国共通のようで英語だらけ。おまけのUSBC2Aプラグは外付けだった。開梱するとなかには「箱の割には中身ちっさいな」というサイズの本体とこちらも万国共通の折り畳み説明書のみ。第一印象は上記の通り「ちっさいわ」である。
本体ちっさいです!と単品でお見せしてもよーわからないかと思いますので、お仲間と並べてみました。右写真の中で今回の主役は上部真ん中、上部左はeppfunのLE Audio対応トランスミッター、上部右はもはやもう買えないのかな?当時は貴重だった24bit/96kHz対応のnuraのトランスミッター。下部右下の銀色のが上記でも記載したFIIOのBT-11。少し大きく見えますがスマホに刺したときに飛び出しにくい横型なので使い勝手は一番良いです。下部左下が、非常にレアwな中国でシェアのあるハイレゾコーデックLHDC(LDACじゃない)の最新ドングルでなんと96kHz越えの192kHz対応という嘘か誠かホントだったLHDC ONEというドングル。やっぱでかいですね。 こうしてみるとBT-W6の小ささが目立ちます。
左がGoogleのPixel 7aにBT-W6を指したところ。いくら小さいといっても、やはり縦型だと飛び出しちゃうのでカバンの中などで刺したままだったりすると要注意ですね。右がBT-W6のアップ。やはりボタンがついているのが心強い。どうしても再接続とかで物理的ボタンが欲しくなる時が多いですし。真ん中の点はLED。後述しますがボタンはあるけどLCDはないのでこのLEDライトの色で接続コーデックを判断するのはほかのドングルと同じです。
アプリの紹介
試聴の前にまずはアプリのご紹介。といいつつ重大発表が。これ多分今時点でスマホ対応アプリがないのかも。。。商品ページなどからリンクされているのもWindows PC用のソフトだけだし、どこ見てもほかのアプリの説明がない。アンドロイドはおろか、iOSようもMac OS用もないのかも、、、 (未確認 調査中)
ただ接続して試聴はできるかと思います。少なくともMacは「必要なシステム」という箇所にUSB Type-C搭載限定ですが、Macが記載されています。
その必要なシステムの中にはPS5/PS4やSwitchの記載はあれど、AndroidとiPhoneの記載がないのが不思議です。ただAndroidではUSBに接続して音楽を聴くことはできました。残念ながらアプリには何の反応もありませんでしたが。iPhoneはFIIO BT-11と同じようにUSB Type-C搭載iPhoneだと使えるのでしょうか? 残念ながら新しいiPhoneを持ち合わせておりませんので実験できておりません。
気を取り直して、こちらがインストールしたのちPC再起動を求められたので再起動後の画面。インストール直後よりボタン増えたので再起動必須かも。小さくて見えにくいかもしれませんが、ここで出来ることは以下の通り
- デバイス設定画面
- サウンドモード:いわゆるプリセットのイコライザー選択画面。ただ面白いのが右に一部を抜粋しましたがジャズやポップスみたいな音源系のチョイスだけでなく、PCゲーム界で長年活躍してきたCreativeならではのメジャーなゲームのタイトルごとのプリセットが用意されていること。原神などもあるけどあれってPCあるんでしたっけ、知らんけど。
- イコライザー: つながりでその斜め右下にあるのがいわゆるカスタマイズできるイコライザーの画面。こちらでも上記プリセットのセッティングが見られます。あなたはPUBGとバイオの差が聞き取れるか!w
- ミキサー: その右横のミキサーはミキサーというか音量調節くらいしか今はありませんでした。今後拡張するのかな?
- Acoustic Engine: 下記にスクショも掲載しましたがいわゆるエフェクト設定画面ですね。疑似サラウンド系・クリスタライズ・重低音などなどを設定するのですが、、、 ちょっと物議かもしれませんが「これわたし違いがなーーんにもわかりませんでした・・・」もちろん堕耳なわたしですので全く参考にはできないかと思いますが、さすがに今まではEQなどで好きな傾向とかをいじってきていたのでそれなりに「雰囲気」くらいはわかっているかと思っていたのですが、こちらのサラウンドも重低音もいずれも「オンにしてもスライドいじっても」違いがまーーーったくわかりませんでした。。。 バグが私が疲れているかですね。
- ブルートゥースデバイス: こちらが詳細設定画面のことで、下記に掲載しています。コーデック関連の切り替えや、Bluetooth Classic / LE audioの切り替えもこちらです。低遅延にするか高音質のLosslessにするかの選択項目があるのも特徴です。で、うすうす気が付いていた方もいらっしゃったかもしれませんがその下に「マイク入力」というトグルがあります。そうですこれマイク機能が「内蔵」されているんです。これ貴重。いままでのトランスミッター系はマイクが付いていても3.5mmプラグにつける外付けが主流だったのですが、内蔵マイクは使い勝手が良い方もいらっしゃるかと思います。ゲームチャットとか。これ実は気づいていなかったおまけ的な感覚で、非常に好感持てました。私はつかわないんだけど。
- 再生タブ: 再生タブでは24/96などの設定が可能で、その他バーチャル音場設定もできます(未調査)
- レコーディングタブ: こちらもマイクのレートが選べます(画像省略)
- セッティングタブ: いわゆる管理画面で問い合わせ系や、ファームウェア等の確認ができます。現時点では新しいFWはアップされていませんでした。
ということでアプリの紹介はここまでですが、「PC版しかなさそう」という現状ながら押さえるべきところは押さえている感じがしました。一方でエフェクト系の反映が自分には感じ取ることができなかったのがモヤモヤリングでした。
いざ、実聴!
再三申し上げている通り、繊細な耳を持ち合わせておりませんのでお耳汚し程度に。。。 加えてトランスミッターで音が変わるか否かというオーディオオカルト的なナイーブなところでもあると思うので、そういったオカルト的ではないクラッシックブルートゥース vs LE audioの聴き比べをしました。
その前に注意点が一つ、ご存じの通りLE audioは現時点で相性や互換性に問題があるようで、同じLE audio対応製品同士でも接続ができなかったりする場合が多々あります。ただ今回Creativeは自社のオーディオ製品だけでなくメジャーメーカーの製品との相性等も公開しているので非常に安心です。BT-W6でLE audioを楽しみにしている方は購入前にCreativeのサイトを確認した方がよろしいかと思います。念のため10/25現在のリストを掲載します。メジャーどころだとソニー製品とのLE audio部分での接続性に難ありのようです。
さて実聴です。今回は同じCreativeのAurvana Ace 2を使っています。上記LE audio相性も抜群のはずです。このAurvana Ace 2・・・なんて読むんでしょうね、いつもごにょごにょ言ってごまかします。新鋭 xMEMS ドライバーと10mm ダイナミック ドライバーのハイブリッドで話題の逸品です。
クラッシックブルートゥース
PCに接続したBT-W6経由で無事にaptX adaptive 24/96で接続。アプリにもAurvana Ace 2の記載が出てきます。音は明瞭で非常に良好です。特に音楽再生ソフトAudirvana (Classic) からWASAPIでExclusiveで接続すると音圧の向上からかさらに明瞭さに加えて腹の底に来る迫力が堪能できてご満悦です。
LE audio
こちらはうーん、残念な音ですね、、、大事なものが抜け落ちたというか薄っぺらい、旨味成分が抜けた食べ物をいただいているようです。これはBT-W6というよりもLC3の現時点でのパフォーマンスなのかもしれません。LC3+だと変わってくるんでしょうか。。。
aptX Lossless
今回の目玉でもあるaptX Lossless接続も試してみました。 このブログでも紹介済みのvivo TWS 4 HiFiとEdifier STAX SPIRIT S10の2つで試してみました。双方とも最新のSnapdragon Soundに対応したaptX Lossless対応機です。 さてセッティング、何々お作法があるのですね。。。はい対応しました。。。
・・・・・ (やな予感)・・・・・・ま、タイミングとかもあるし、VIVOの方も試してみれば・・・・・・・
【訂正】
カエサレア様からコメント頂戴いたしました。
私の環境はDENON PerL Proで接続、最初はaptX Adaptive[紫]で接続されますが音楽を再生するとaptX Lossless[黄]に再接続されます。設定は[24bit 48000Hz]にしていれば自動でaptX Lossless[黄]に切り替わり再生されます。
大変申し訳ございませんでした。m(__)m
カエサレア様からご指摘いただいたように、接続後にちゃんとaptX Lossless接続に切り替わっておりました。合わせて、以前ご紹介した当方持ち合わせの”EarFun Air Pro 4” でも同様に音楽再生後同様にaptX Losslessに切り替わることを確認いたしました。誤報を修正させていただくとともに謹んでお詫び申し上げます。
カエサレア様、ご指摘誠にありがとうございました。
Losslessにならんじゃなかとですか! (このパターン多いし、最近) 何回か試したんですけどね。下記の図の通り、スマホではLossless経由で繋がってるんですけどね。(ちなみにWiFi強いところでは切れがちですが) その下の画像はCreativeのサイトからの画像なのですが、うまくいくとLossless表記と色になっているので、確実に失敗している気がします。本体のLEDも紫のままだし。。。 うーん、ちょっと宿題とさせてください。調べておきます。。。 ちなみにUKの方のブログでSennheiserのMOMENTUM True Wireless 4でLossless接続できている投稿がありましたので、こちらも初期にあるあるの相性なのかもしれません。
上記、カエサレア様からのご指摘通り接続後はaptX adaptive表示の対応機は、音楽再生後に無事aptX Lossless接続表示に変更になりました。修正とさせていただきます。
まとめ
ということで話題の新製品Creative BT-W6を試してみました。 宿題も残ってしまいましたし、LE audioのAuracastなどは試せていないのでこちらも追って、、、ということにさせてください。人込みでの接続も試せてません。こちらも次回にということですが、少なくとも一般家庭より2.4/5Ghzの電波が飛び交っている家、その中でもPCの真ん前でも途切れることはほとんどなく良好でした。ただ接続レートは測れないのでレートをうまく調整しているのかもしれませんが、、、 さて、まとめとしてまず他の類似製品と比較してメリットとデメリットを列挙します。
メリット
- 小さくて邪魔になりにくい
- ボタンが付いている安心感
- マイク内蔵
- aptX Lossless(今回は失敗しましたが)対応・LE audio対応
- それなりにまとまっているPC用アプリ
- ゲームごとのEQプリセット搭載などの独自性
- 再接続が早い(初回接続時はもたつくこともありましたが、それ以降は早い接続)
- 安い: 定価で7,980円(税込)
デメリット
- LDAC/AACに対応していない
- スマホ用アプリがない → PC持たない際のファームウェアアップデートは?
- 初回接続に躓くことが多々あった(イヤホン側をハードリセットして成功など)
aptX Lossless設定がすんなりいかない → 失敗かもしれませんが、それなりに場も積んでいるので、、、
上記訂正のように、音楽再生後にaptX Lossless表記に表示変更されました。なのでもはやデメリットでもなんでもないです。。。
ざっと思いつくところはこんな感じです。上記にも記載しましたが、つながってしまえば安定性も良さそうなので常用デバイスとして有効かなと思っています。ライバル的なFIIO BT-11がAndroid向けのファームウェアアップデートに時間がかかっている、さらには先んじてグローバル販売を開始できたということは大きなアドバンテージかと思います。 PCのサウンドボードからUSB DACへ、Creativeは時流に合わせてうまく動いてきているかと思いますので、昨今のヒット作でもあるこのUSBドングル型トランスミッターはさらに良い製品に仕上げていただけたらなと思う、少し肌寒くなった秋の夜更けでした、、、
今日はこの辺で、それでは!
コメント
私もBT-W6を所持しています。私の環境はDENON PerL Proで接続、最初はaptX Adaptive[紫]で接続されますが音楽を再生するとaptX Lossless[黄]に再接続されます。
設定は
[24bit 48000Hz]にしていれば自動でaptX Lossless[黄]に切り替わり再生されます。
[24bit 96000Hz]にするとaptX Adaptive[紫]で接続され再生されます。
あと謎の現象としてBose Ultra Open Earbuds [aptX Adaptiveまで対応] で接続すると最初はaptX Adaptive[紫]で接続されますが音楽を再生するとaptX Lossless[黄]に接続され再生されます。
そして設定で[24bit 96000Hz]を選択しても強制的にaptX Lossless[黄]に接続されます。
Bose Ultra Open EarbudsがアプデでaptX Losslessに対応したという記事も見受けられないので意味不明です。
カエサレア様
コメント誠にありがとうございます。
ご指摘の通りでした。
接続後はaptX adaptive表示のままの対応機は、音楽再生後にaptX Lossless接続表示に代わりました。(当方 16/44.1 and 16/48 で接続後に確認済み)
大変申し訳ございませんでした、またご指摘本当にありがとうございました。
これでもやもやが取れて安心して音楽を堪能することができます。
またご連絡いただいたBoseのOpenでの接続ですが、当方はその機種を持ち合わせていないため再現できませんでした。
ただ、やはりまだ何かLE audioともどもLossless界隈も落ち着いておりませんね、、、
Bluetooth黎明期と似たゴタゴタ感さえ感じられます。
FIIO BT11も日本出荷がさらに遅れると聞いております。
私が中国で購入したBT-11も「発売前テスト機」という位置づけになったそうです (^^ゞ
BTトランスミッターもここにきて充実の兆しがあるので、
安定期に入り安心して無線接続での音楽鑑賞を堪能できる時代が早く訪れればと願います。
カエサレア様、重ね重ねありがとうございました。
あたらしもん