【体験記】Xiaomiの方針転換により個人ではほぼ不可能になったブートローダーアンロックをXiaomi 14 Ultaraで力技で突破したお話。
Xiaomi 14シリーズとHyperOS
少し前の話になるが昨年秋に中国で発表されたXiaomi 14シリーズ。Xiaomi 14 Ultraはそれよりも少し遅く今年の2月に中国で発売されたが、そのXiaomi 14シリーズとともにXiaomiの新しいAndroidベースの独自OS Xiaomi HyperOSが発表された。OSの軽量化や計算能力・AI搭載などの基礎体力強化、Xiaomiのエコシステムを横断する連携力強化などなど、それまで10数年使われてきたMIUIの後継として華々しくデビューした。とはいうものの通常使っているレベルであればMIUIのマイナーバージョンアップが如く、あまり変化は感じられず、裏を返せばその変化を感じないことがユーザビリティへの恩恵ともとれるのだが。
非公式多言語化への大きな痛手
一方で大きな変化を伴ったものもあった、非公式な多言語化を阻止する動きだ。というのもXiaomiは通常中国本土で中国語と英語のみをサポートする中国版を発表し、そのあとしばらくしてからグローバル版や単独地域特化版(FeliCaを搭載した日本版など)を出すという流れだった。いち早く最新の製品を使えることや中国本土での発売ということで各国で購入するのより格安で手に入るということで、中国版を購入して自身でそれを多言語対応に「改造」するテッキーは少なくなかった。
一方でXiaomiにとっては(恐らく)会社としてのグローバリゼーションが進んだことにより、各国での売り上げの公正化を進めるにあたって中国での格安製品が各国にばらまかれている現状をあまり良しとしなくなってきたのであろう。そこでHyperOSへの移管に合わせてこの中国語版から多言語版への「改造」のスタート地点であるブートローダーのアンロック (BLU)を封鎖してきたのであった。もちろん中国語版のままでもそのうえで動かすブラウザーなどで日本語は問題なく表示されるし、メールなどへの日本語入力などもマイナス点はない。しかしシステム周りがローカル言語でないことへの不便さやたまにある中国語でのメッセージへの戸惑い、細かい話だがPixel WatchなどのFelica搭載ウェアラブルデバイスが中国語版に接続できなくなったりなどの積み重なる弊害が多少なりともあったのだ。それを気軽に問題解決できなくなったのが今回の非公式多言語化封鎖だった。
割り切りと決断
かくいう私もこれまでもそうであったように今年の2月に発売された中国版のXiaomi 14 Ultraを購入した。いち早く手に入れることができること、格安($1,100)で手に入れることができるためであった。春の旅行の際にはこれまでの大きなカメラを持っていくこともなく、スマホだけでそれなりの高画質が撮影できるということで非常に満足感があった。。。 が、やはり使い込んでいくとフル日本語対応のスマホのほうが使い買っては良いし、上記の制限によりあきらめる事柄も少なくはなかった。
知っていた。一般人では対応できないこのHyperOSベースのスマホのブートローダーをアンロック (BLU)する手段を、最終手段を。セキュリティリスクを投げうってロシア人(?)に身も心も(?)ゆだねる方法を。スマホもスマホを操作するPCをも何の保証もない誰かもわからないロシア人(?)にリモートデスクトップ経由で「いじらせる」方法だ。PCにトロイを仕掛けられるかもしれないし、スマホにワームを埋め込まれるかもしれない、PCにある個人情報などを抜き取られるかもしれない、、、一般常識では通ってはいけない道だ。
しかし決断した。「やってもらおう」と。
現在使っているメインの端末に不具合が多く出始めてきたこと、いくつかの中国版による制約が窮屈になってきたこと、それにもまして「ちょっと見てみたい」という悪魔の声に唆された好奇心が勝ったということが一番かもしれない。またこのブログのネタになるなと思ったことも大きな要因だが、かくして8月のある日ロシア人へコンタクトをしたのであった。。。
NCUNLOCK
いくつか方法論があるかもしれないが私が選んだのが標題の「NCUNLOCK」というサービス。 よく見ていたXiaomiのEU.ROMのコミュニティで評判が悪くなかったことが一番の要因だ。費用は$95 (!) 日本円に換算すると約14,000円強 (!!)だ。高い。下手をすれば激安のスマホが買えちゃうくらいだ、大げさだけど。。。
流れは以下の通り、
- 最終的にフォーマットされるので大事なデータをバックアップ
- Google SDKツール(ADB, Fastboot, ドライバー)のセットアップ
- ロシア人(?)とのコミュニケーション用のTelegramのインストール
- PCがスリープしないように電源設定を調整
- NCUNLOCKウェブサイト経由でお支払い(Paypalが使えた)
- ロシア人(?) 指定のリモートデスクトップツールのインストール
- Xiaomiアカウントからのログアウト
- スマホをFastboot状態で再起動してPCに接続
- Telegramでロシア人(?)にコンタクト
- いくつかのやり取りの後、いつ「本番」かの確認
- 私の場合は1.5時間ほど待ってから処置スタート
- 実質15-20分で問題なく終了
- 最終結果の確認を双方で合意して終了
何のことはない、決断して作業開始してからものの半日で無事多言語化(日本語化)終了。終わってみればあっけなかった。
手順詳細
とはいうもののある程度知識と準備が必要だし、やる前には不安なことも多いはずなので、少しでも参考になればと次回スクリーンキャプチャとともに上記の手順の詳細をレポートしたいと思う。ただ少し長くなってしまったので本日はここまで。後半で詳細をお伝えします。
ブートローダのアンロックや他のOSのインストールなどの行為はメーカーや販売店の保証がなくなる恐れがあります。また低くはない確率で端末が起動しなくなる恐れもあります。故障やトラブル発生しても自己責任でお願いします。
技適マークがない無線通信機器を日本国内で使うと電波法違反になる恐れがあります。特例制度(技適未取得機器を用いた実験等の特例制度)を利用し、ウェブサイトでのレビューや実験・試験・調査によるものが対象であることを明示した上で総務省に届出をすることによって合法的に技適マークがない無線通信機器を使うことができます。ご注意ください。
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