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Ray-Ban Meta

イヤホン

マルチモーダルAI搭載ガジェットへ進化した、孤高のスマートグラス

増えてきた音楽鑑賞デバイスの選択肢

当方のブログ記事のリストからもお分かりの通り、音楽を聴くということが日常の一環となっている。ノイズキャンセルがびんびんに効いたカナルタイプのイヤホンやヘッドホンで聞くこともあれば、昨今のトレンドとなっている耳掛け式やクリップ式などのオープンイヤータイプのイヤホン日常に溶け込んだ使い方として非常に有用だ。一方当方通常メガネをかけているのでShokz OpenRun Pro 2Cleer Arc3などの耳掛け式だと少し干渉することもあった。で、この数年第3の形態としてHUAWEI Eyewear 2のようなメガネ一体型のオーディオグラスのジャンルも登場してきた。このHuaweiのグラスはメガネ量販店のOWNDAYSで度付きのグラスに変更もできるのでメガネ使いとしてはメガネをかけるだけで気軽に音楽を聴けるので非常に快適だ。

スマートグラス

このオーディオグラスの発展形ともいえるのが、音楽の鑑賞以外に機能をプラスアルファしたメガネ型デバイス通称スマートグラスと呼ばれるジャンルで、昨今ではXREAL Air 2 Proなどのようなバーチャル大画面で映像を楽しめるARグラスが人気を博している。ただこれは日常使い出来る「眼鏡」とは少し用途が異なり常時つけているものではない。一方オーディオグラスにカメラ機能を加えたスマートグラスも存在する。それが今日ご紹介するRay-BanとMetaのコラボレーションで開発されたスマートグラスだ。この9月に更なる進化のアップグレードの発表もされ、進化を遂げたのであった。

Ray-Ban Meta スマートグラス

このRay-BanとMetaがコラボしたスマートグラスはそんなに目新しいものではなく、第1世代として発表されたRay-Ban Storiesは2021年にリリースされ、第2世代としてMeta Smart Glassesが昨年秋2023年10月にリリースされた。当方はこの第2世代の製品のうちWayfarerという形状の商品をこの春2024年4月に米Amazonから購入して試用している。「試用」 としたのは、残念ながらこのRay-Ban Metaの商品は日本で発売されておらず技適が取得されていないので日常使いにできないというのが理由だ。ただメガネ型デバイスにカメラ、しかもある程度の画質の静止画とビデオ撮影できるデバイスは非常に有用で、一般的なカメラやスマホのカメラのように「撮るぞ!」としてデバイスの準備をしてから撮影するのではなく、街歩きの際などにふと気が付いたものを「すでに着用しているデバイスで」即座に撮影できるのは非常に貴重だ。見たものを0.何秒で撮影できるのだから。

現状の使用感

今回の情報の核となっている「AI」連携はまだ試せていない、その理由は下記に記載している。現状は、

  • オーディオグラス
  • 静止画撮影
  • 動画撮影

これがメインの機能となっている。

オーディオ:これについては個人の嗜好により善し悪しがあると思うが、当方が別途保有しているHUAWEI Eyewear (2じゃない)と比しても音質としては悪くない。というかむしろ低音感がMetaの方が良いかもしれない。ただ最大音楽再生時間が10時間以上のHuaweiに対して、Metaは写真やビデオを通常レベルで撮影しつつ最大4時間と公式で伝えているが、体感的にはもう少し短い気がしている。なので一日ながら式で音楽を聴く場合はHuaweiを、写真撮影を含む街歩きや散策という時にはMetaをという使い分けが良いのかもしれない。

SoC:QualcommのSnapdragon AR1 Gen1プラットフォームを採用。32GBのストレージを内蔵し、1200万画素のカメラを内蔵し、1080p/60秒の動画を撮影できる。5つのマイクを搭載し、動画の音声は空間オーディオとして記録することができる。というのが公式発表。

静止画撮影:なんとなく初めは???となったのだが、撮影画像は縦型違和感は視界がどちらかというと横長なのに撮影映像が縦型だったから。でも昨今の用途としてSNS流用が主な用途になってきている現状では「本格的な撮影」ではなく「日常スナップ」的な使い方として縦型の方が相性が良いのかもしれない。なおスペックとしては: 12 MP ultra-wide / 3024x4032px

動画撮影:こちらも縦長で1440×1920 Px @30 fps というスペック。上記公式情報と違うのはなぜだろう。特に設定いじるところもないし。画像は静止画もそうだが「本格撮影」ではなく「映像記録」と割り切って使った方が良いのかと思う。

いずれにせよ、体験レポートとしてはオリジナルの画像を載せてこそというのは重々承知なのだが、あいにく非常にプライベートなものしか撮影しておらず、今回はご容赦願いたいこちらのAV Watch様のレポートに静止画・動画のサンプル撮影映像が掲載されているので参考にしてほしい。

マルチモーダルAI

ただオーディオグラスにカメラ機能が付いた「だけ」のものを、”スマートグラス”と果たして呼称してよいのかは疑問に残るとこだったスマートとくくるのであればもう少し「今までできなかった体験が可能になる」要素が欲しい。その期待についに追いつく時が来た。Metaはこの9月の自身の開発者会議でAI機能の強化を発表した。搭載している”Meta AI”を活用してマルチモーダルAI搭載デバイスへと進化させるアップデートだ。マルチモーダルAIとはテキスト・画像・音声・動画など複数の種類のデータを一度に処理できるAIの技術で、ここで「カメラ」搭載が活きてくるのだ。カメラがAIの「目」となって情報ソースの入り口となり、”Meta AI”に対して「音声」で疑問などを投げかけると答えが聞こえてくる。。。それがこのRay-Ban Metaスマートグラスで可能になったのだ。

Hey, Meta Look…

まずはこちらをご覧ください。

おっちゃん: これ何の植物?
Meta AI: これは、アジサイ科の植物で、別名ノリウツギとも呼ばれます。
おっちゃん:どうケアすればいい? 1日にどれくらいの水を与えるべき?
Meta AI:アジサイは水はけのよい土壌と半日陰を好みます。土の表面 2 ~ 3 インチが触って乾燥していると感じたら水をあげますが、水のやりすぎは根腐れの原因となるので注意してください。

これ別に普通じゃん。といわれるかもしれないが、今となっては撮影した写真をグーグルレンズに読み込ませて花の種類を判別しつつそれをWikipediaで調べる。。。なんてこともできるのだが、このデモで画期的なのはこの一連の操作を「声だけで指示して」「スマホを出さずに瞬時に確認作業に入れる」ところなんだと。グーグルレンズが登場するまではさらに複雑だった作業が一瞬で出来ちゃうのだから。これ以外にもこちらのリンク先には目の前にあるビルの名前を教えてもらったり、目の前にある外国語を翻訳してもらったり、ファッションのレコメンをもらったりなど、「見たものの情景を即座に情報に代える」デモがさらにレポートされている。そう、煩雑な操作をせずに。つまりは「スマート」と形容しても良いときがやってきたのだ。

他の新機能、今後の発展

これ以外にも「記憶機能」の追加:駐車場の番地を覚えてもらってあとで教えてもらう、とか「リアルタイム翻訳機能」の追加(予定):マイクを通じて聞こえてくるフランス語などの外国語を英語に翻訳、とか深くは終えていないが「視覚障害者サポート」機能の追加なども予定されているようだ。このように「目の前のものを見たり聞いたり」して「即座に簡単に」有用な情報に置き換えてくれるというのは唯一無二の「スマート」機能であり、言うなればドラゴンボールのスカウターアイアンマンのヘルメット(?)の中の情報表示など、近未来SFの世界で人々が求めていた機能への第一歩なのかもしれない。

まとめ

ただ冒頭でもお伝えした通り、日本での発売は今のところされていないし、その噂も聞こえてこない。日本語のオフィシャルページは存在しているものの、販売ページへのリンクを踏んでも「お住まいの地域では、、、」との表示しか返ってこない。上記でお伝えしたAI機能も残念ながら現状日本では使えない。IPやGPS情報を偽装してどうにかなるのかもしれないがそれも一般的ではないし、いずれにしても英語を活用しなければ情報を入手すらできない。ただこう言った機能は万人が求める便利さであり、他社がこのまま見て見ぬふりをするわけにはいかないだろう。クラファンなどでもChatGPTを活用しつつ、情報を即座に入手するガジェットなどもたびたび見かける。いずれにしてもアメリカや中国などでこういった野心的な新製品が登場し、日本語は後回しになることが多い現状はどうにか打破してもらいたいものである。いかがでしょうか、日本の企業の皆々様。。。

©バードスタジオ/集英社

今回はこの辺で、それでは!



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