Eppfun AK3040Pro Ultra
全国のトランスミッターファンの皆さん、こんにちは。 こんなニッチな層がどれだけいらっしゃるのか全く不明wですが、この手のオーディオネタの中でも割とこのトランスミッターって鉄板ネタというかアクセスも多いんですよね。 『PCやMACから最新のコーデックでBTを使いたい!』とか『iPhoneでもLDACやLosslessを使いたい!』ってな人とか、単にこの手の小さなガジェットがたまらなく好きとかいう層(それわたし)とかが多いのかもですね。
昨今でもFIIO BT11やCreative BT-W6の二大”aptX Lossless”対応トランスミッターが登場してかなり話題になりましたし、以前から次世代のBluetoothコーデックであるLC3/LE audioをトライするために多くの方が四苦八苦してきたかと思います。そんな中でまた新しいトランスミッターが登場し始めたので今回ご紹介していきたいと思います。
Eppfun
Eppfun-知らない人は全く知らないけれど、オーディオ愛好家、とりわけ今回のようなブルートゥース トランスミッター好きの人はちょくちょく見かける謎のメーカー。今回ご紹介するトランスミッターはこのブランドからの二品をご紹介させていただこうと思います。このEppfun、個人的にもこういったトランスミッターでしかお会いしたことがない会社なのですが、Amazonのメーカーページを見てもやはり無線系が得意な会社のよう。ただオフィシャルサイトに行ってもまだサイト自体構築中でウェブサイトデザインページのデフォルトがそのまま一部掲載されちゃっているというとてもおおらかな状態。。。 商品情報もそれほど詳細には掲載しておらず、だからこそこの手の接続系に手間取りがちな商品を四苦八苦するのが楽しい(苦じゃない)層とあっているのかもしれないw
とはいえ、いい加減な会社さんというわけではなさそうで、かなり前からLE auddioにも力を入れていた数少ない会社の一つで、最新技術をいち早く試してみたい私などの層からするととてもありがたいメーカーさんの一つです。 そんなEppfunさんから2つのトランスミッターが発売されていたので手に入れてみました。ひとつはLDACやaptX Lossless対応のBT11/BT-W6対抗の小型トランスミッター、もう一つが小型のデスクトップタイプLE audioトランスミッターです。

AK3040Pro Ultra & AK8675MAX1
今回は前編としてそのうちの一つ、LDAC/aptX Lossless対応小型BTトランスミッター “AK3040Pro Ultra”をご紹介しします。次回後編で小型デスクトップタイプLE audioトランスミッター “AK8675MAX1″をご紹介します。
両方のパッケージと見た目はコチラ。余談ですが、Eppfunに限らず中華のこの手の商品って「商品名」が結構あやふやで、パッケージやウェブサイトにも名称らしきものが見当たらないことが良くあるある。両方ともパッケージには名称印刷されておらず、双方とも直販ウェブのSKUから商品名を推測して、、、って感じでした。
当方はAliexpressから取り寄せましたが、双方とも技適取得済みモデルであり既に日本でもAmazon等で販売開始されています。

AK3040Pro Ultra vs ライバルたち [見た目対決]
今回ご紹介するAK3040Pro Ultra(以下AK3040PU)はかなり小ぶりな筐体となっています。昨今様々なUSBタイプのBTトランスミッターが世に出てきておりますが、その中でも小さ目で一目見た時に「あ、ちっさ」と思ってしまったほどです。実際に他の類似製品たちと並べてみましたのでご確認ください。

いかがでしょうか? 半分とは言わずもライバルであるFIIO BT11(以下BT11)とCreative BT-W6(以下BT-W6)からそれぞれ横縦を60%くらいに抑えた大きさになってるのがお分かりになるかと思います。重さはグラムのコンマ以下まで計測できなかったので感覚になってしまいますが、BT11(3~4g)よりAK3040PU(2~3g)はあきらかに軽く、BT-W6(2~3g)より少し軽く感じました。とはいえ1gレベルの違いなので誤差の世界ですが。外見というか機能というか、BT-W6のみ本体にボタンが付いていて接続が能動的にできるのに対し、BT11とAK3040PUには物理的なボタンはついておりません。
AK3040Pro Ultra vs ライバルたち [スペック対決]
こんな小さな筐体でよくぞここまで、、、という隔世の感に浸りつつ、カタログスペック上の3つの比較をしてみます。安定性等はそれぞれの環境や使用イヤホン等にも左右されるのでここでは比較しません、あくまでもスペック番長はどれか?という視点です。

表を作っておきながら何ですが、記載間違いもあると思いますのであくまでも参考程度としてご覧ください。基本的にはリリース時期による枯れてきつつあるBT11と、リリース直後のAK3040PUとはスペック的にはほぼ同格かと思います。チップセットも同じですし、対応コーデックも同じ、物理ボタンがないことも個人的にはデメリット共通要素として存在します。ただ上記に記載の通り設定アプリが「まだ十分とは言えないものの」BT11には既に用意されている一方、AK3040PUは「準備中(数か月以内に)」という大きなアドバンテージとディスアドバンテージが現状大きな違いかと思います。 一方のBT-W6は他の2機種とは違って「LDACに対応していない」という「それを大事と思う層」にとってはそれだけで選択肢から外れる大きなデメリットがある一方、既にLE audioだけでなくLC3ブロードキャストにも対応していたり、マイク対応、アプリもデスクトップのみではあるが多彩なEQ対応など音を追い込める機能も多く、アプリや機能に関しては群を抜いています。
AK3040Pro Ultra接続実験+試聴
機能・スペック的には人気のBT11に拮抗しているAK3040PUを実際に試してみたいと思います。BT11への期待が高かった分、初動ののろのろ感に足をすくわれた感がある方も多いかと思いますので、その代替として満足できるかという視点でも見てみましょう。
まず前述の通りBT11同様AK3040PUにも物理ボタンがないため、アプリでのコーデック変更ができなければ基本的には接続するイヤホンやヘッドホン、BTスピーカー等の対応する最高音のコーデックで接続されることになります。昨今のトレンドのイヤホンであれば基本的にはLDACかaptX adaptive/Lossless対応がほとんどかとは思いますが、上記対応コーデックをご覧いただいてお気づきの通りAACコーデックに対応していないためAirPods系やGEMINIなどのAACまでの対応のイヤホン等はSBCでの接続になってしまうのは要注意です。またLDACとaptX adaptive両対応のイヤホンだと今のところaptX adaptiveでの接続になることが多かったです。LDAC接続になるパターンには今のところ見いだせておりません。 なお、2台目のペアリングは1台目をケースにしまうなどしてAK3040PUが接続先を見失うことで再びペアリングモードになるので、そのタイミングで2台目を接続することになります。それ以降はカタログスペック上だと2台同時接続が可能になります。
接続コーデックの把握は本体LEDでの確認になります。添付されていた説明書に記載されていた色判別は以下の通りです。

この表と見比べてみて、LDAC接続だったら紫に、aptX adaptive/Losslessだったら赤になっていたら成功(?)というか予定通りってことになるでしょう。それよりも青に寄っていくと、、、選びたかったコーデックでの接続ができていなかったことになります。下の写真は『ハイレゾコーデックがLDACのみの”Soundpeats GoFree2“』での接続と『ハイレゾコーデックがLDAC及びaptX adaptive/Lossless接続対応の”EarFun Air Pro 4“』接続時の写真。 実際目で見ると確実に紫なのに写真にすると青に近く映ってしまいがちだったので色温度を変えてみたりして調整して少し暗い画像になってしまいましたが、ご安心ください(?)LDAC接続ではきちんと紫に、aptX adaptive/Lossless接続時には赤で点灯しました。 この色判別だと残念ながらaptX adaptive接続なのか、それともaptX Losslessで接続できたのかがわからないのが難点ですね。

今回のこのAK3040PUは上記のごとくLEDの色でのコーデックの違いくらいしか分からないので、じゃあLDACが660kbpsでの接続だったのか、990kbpsで接続できていたのかは立証できる術は今のところありません。なので他のライバルトランスミッターたちと同じコーデックで接続していた場合でも機器ごとによる接続の安定さの違いや、接続ビットレートの違いによる多少の音質の差(解像度)で機械ごとの優越が出てくてもおかしくはないと思っていました。
接続の安定さでいえば、今回PC接続での比較検証を行ったので比較的BTの電波が飛び交っているかなりの悪環境化。そんな状況でのハイビットレート、特にaptX LosslessだとLDACの990kbpsを上回る1.1~1.2Mbpsでの接続になるためさすがにド安定での接続というわけにはなりませんでした。2-3曲聴いているといきなりブツ!っとなって切れることがどのトランスミッターでも起こりました。LDACだとそんなことはなかったので、660kbpsとかに落としたりもしているのかもしれません。なので接続の安定さでは3機種の優劣は見極められませんでした。
解像度による音の違いの差も正直感じ取れませんでした。ただこのAK3040PUを使ってaptX adaptive/Lossless接続でハイレゾ音源(カーペンターズの 24/192音源)を聴いていたところ、していた作業の手がピタッと止まって「あ、こんないい音するんだー」と割としみじみと思ってしまいました。ワイヤレスで、しかも言っちゃあれですがアンダー1万円のearFun Air Pro 4という入門機レベルのイヤホンで聞いて聞きほれてしまうくらいですから、時代は確実に進歩しているんだな、、、と思いました。よって音の優劣も特に感じなかったということになります。

なお、LE audioはまだ対応していないため、今回の検証から外れています。
まとめ
ということで、今回のBluetoothトランスミッター界のニューフェイス”Eppfun AK3040Pro Ultra”を中心にためしてガッテンをしてまいりました。今回のこのAK3040Pro Ultraですが、Aliexpressで$40弱(6000円位)、日本のAmazonだと現在売り切れのようですが7000円程で販売しています。FIIO BT11、Creative BT-W6とも8000円弱ほどで販売されているようなのでこれらライバルより少しオトクな価格帯となっています。
低価格ではあるものの接続がほかに比べて悪いとかもないですし、一度接続したら再接続も特に問題なくこなしていました。音質もこの値段でLDACやLosslessが試せるのだからコスパもいんじゃね?と思います。
アプリの充実度でいうとBT-W6が群を抜いているので、LDACが必要でなければBT-W6を、LDAC必須なのであればBT11かニューフェースAK3040PUを選択というのが今回の優等生的な解となります、、、
一家に何個も必要なカテゴリーの商品ではないですが、オーディオ界の中では格安の部類に入る商品ですのでご自身の使い方にぴったりフィットするトランスミッター探しをもう少し続けてみるのも悪くないかもしれませんよ?
それでは今回はこの辺で!
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