Cleer ARC 5から機能を抑えた廉価版が突然登場! 価格もかなり抑えられており、人によっては「これでいいかも」となり得るスペックなのかも…
Cleer ARC 5シリーズ
日本でもクラファンをきっかけに大人気となった、超高音質オープンイヤー完全ワイヤレスイヤホン“Cleer ARC 3”。 登場が待望されていたその後継機“Cleer ARC 5″シリーズがこの春ついに中国で発表された。 現在、音楽版、運動版、ゲームエディション、ライト版(イヤホン本体のバッテリーを抑えて軽量化)などが発売されています。
ARC 5はARC 3発表後の業界トレンドを鋭く読み取り最新機能を搭載。 またARC 3で不満点として挙げられたバッテリー駆動の短さや、イヤーフック部分の形状などを改良され、オープンイヤーワイヤレスイヤホン(OWS)界において、まさに死角のない最上級音質OWSシリーズとして君臨しています。まだ日本では何のアナウンスもありませんが、少しでも早くの発売を期待されているのではないでしょうか。
また、ARC 3以来「バリエーション大杉問題」とも言われた(?)ように多くのバリエーションが存在し、既にARC 5も発表会場で多くのバリエーションの展開が示唆されました。このバリエーションの多さでユーザーのニーズを細やかに拾い上げようとする手法をとっているかのようです。

Cleer ARC Air 2 投入の意味
そして今回、厳密にはARC 5のシリーズ名称は背負ってはいないものの、ほぼほぼARC 5の外観やスペックを踏襲しているが機能を削ぎ落とした廉価版として”Cleer ARC Air 2″が9月6日に発売されました。
価格から先に言ってしまうと、ARC 5(音楽版)が、1,399元(約2.9万円)で発売されているのに対して、ARC Air 2は699元(約1.45万円)と、なんとズバリ半額での提供です。
昨今SOUNDPEATSやEarFunなどかなり多くのライバル企業が相次いでアンダー1万円のOWSで大ヒットを飛ばしており、さすがに旧機種併売での値引き販売手法で対抗…だけという訳にはいかなくなってきたというところなのでしょうか。この699元という価格はドル換算すると$99弱。つまり、アンダー100ドルの戦略的な価格です。

Cleer ARC Air 2 概要
ARC 5シリーズとの外見の大きな違いは写真を見てお分かりの通り「ケースから液晶(AMOLED)がなくなった」という点が一番の大きな違いでしょう。なんかさみしく見えてくるから不思議ですw
イヤホン本体自体はぱっと見では大きな違いは見えないですが、スペックなど大きな違いが見えてきました。以下がスペック表などから読み取れるARC 5との違いをベースにしたAir 2概要の一覧です。
- 16.2mm ダイナミックドライバー搭載: これはスペック表の文字情報だけだと同じですが、もしかしたら以下の違いから読み取って廉価版を使っている可能性もあります。(もしくはARC 5がグラフェンなどを使っているが表記していないだけとか)
- 周波数特性 – 65Hz–40kHz: Air 2の周波性特性がこのように明示されているのに対し、ARC 5の周波数特性は公式に明示されていません。しかし過去のARCシリーズは20Hz–20kHz(または20Hz–40kHz)と記載されていたためそれを後継機が下回ることは考えにくく、もしかするとドライバーのレベルを落としてきている可能性はあります。但し可聴範囲か?という視点もあります。
- 搭載チップ: ARC 5が、QCC5229 Qualcomm S5 Gen3搭載を明言しているのに対し、Air 2では画像上で同じQualcomm S5が搭載されていることを示唆しているのみです。但し画像によってはQualcomm S3の文字が表示されているのもあるので、SoCの変更の有無は今のところ明言はできません。
- 対応コーデック: 対応コーデックからLDACが抜けています。LDACサポートに関してはソフトウェア・イネーブルメントのはずなので、価格を抑えるためにライセンス料をセーブしたといってもあながち間違いではないかと思います。
- 音響機能: こちらはほぼ踏襲しているように見受けられます。 販売サイトの商品説明では大きくはアピールしていないですが、立体音響機能については外装にもDOLBYとTHXのロゴが掲載されていますし、低音増強のCleer DBE 4.0も記載されています。
- 再生時間 – 本体7h+ケース25h=32h: ARC 5が先代の不満点を吸収して本体12h+ケース48h=60hと大幅にバッテリー容量と効率を上げているのに対してAir 2では総再生時間を落としてきています。
- 製品重量 – イヤホン単体/10.8g、充電ケース+イヤホン/75.6g: ARC 5がそれぞれ11.5g/117gとの公式情報なので、イヤホン単体で-6%、ケースに至っては3割近くも重量を落としてきています。これは上記の総再生時間削減と合わせ見るとバッテリー容量の削減があったとみてよいかと思います。
- ケースの仕様変更: ARC 5に対して以下の装備・機能が省略されています。
- AMOLED液晶が搭載されていない
- ワイヤレス充電機能非対応
- UV殺菌機能の除去
- メイクアップミラーが搭載されていない
- 交換式フレグランスシート機能の非対応
- 充電容量減少(想定)
- などなど
- AI機能: ページ冒頭の製品コピーではAI耳机としてAIサポートを声高にアピールしていますが、ページ下部の製品説明においては何も触れられておりません。ARC 5のページではかなり分量を割いていましたが。
これらがARC 5との対比をベースにした概要説明ですが、Air 2 / ARC 5それぞれのスペックシート上で触れられているものと触れられていないものの情報の違いがあるため不明な点が多く、上記以外にも大きな変更点があったり、上記の説明・想像に間違いがあったりする場合があることはご容赦ください。


まとめ
今回は当ブログのアイデンティティでもある実機購入による生レビューではなく、速報ニュースとしてお伝えしているので、開封の儀や試聴感想のコーナーがありません。ご容赦ください。
今回“記載されている情報のみ”をベースに比較したところ、『ARC 5のコアの部分・本筋は残しつつ、付加価値・機能を削減してコストダウンを優先したモデル』という感じなのだろうなと思いました。
かなり私見と男性視点はありますが、
- 正直液晶は使っていなかったしいらなかったかも
- ミラーやフレグランス機能もイヤホンには不要かな(UV殺菌はあるに越したことは無いが)
- ARC 5のケースはかなり大型なため、重量が減るならそれはそれで快適かも
- Qi充電もあればあったに越したことは無いが、これが無いから買わないってことは個人的には無いかも
- これら機能・要素が削除されていても『半額ならぜんぜんおっけー』って感じ
製品カラーがこれで黒一色じゃなかったらなお良いな、とも思いますが効率を考えると多色展開は無駄を生みますし、半額を突き詰めた結果なのであればうなずけます。
(2025.9.8 13:40) 訂正です。白バージョンもあった模様。模様というのは執筆時には既に双方とも売り切れてしまったようで、サイト内誘導も切られちゃっているようです。
ただLDACのサポートが無くなったことに関しては人によっては『買わない理由』になり得るかとも思いました。上記のライバルのアンダー1万円の製品でもLDACサポートをしている機種が多いですし、ウェブの情報交流サイトなどではLDACの有無がかなり重要という風潮がありますが、実際にはサイレントマジョリティ層の購買意向においてどれだけマイナスに影響するのかが未知数(それほどでもない?)かなとも思っています。
バリエーション大杉ARCシリーズとして、ARC 5に関しては音楽・運動・ゲームのベースとなる3機種に続いて、本体計量版(Lite版)と今回の機能削減版のAir 2が登場した形になります。
それだけ廉価版販売へのニーズが高かったのでしょう。それがユーザー直接の要望なのか、営業的な内部ニーズなのかはわかりませんが…
ただ中華メーカーはこの手の廉価版を「青春版」「ユースエディション」などの名称で販売することも多いので、決してこの廉価版発売が驚きを生むものではないことはご留意ください。
この廉価版投入で販売ベースが安定し、ARC 5シリーズのさらなる展開、個人的には発表会時にアナウンスされていた“Wi-Fi版”(おそらく超・高音質版)の投入が順調に進んでくれることを祈りつつ、今後さらなるARC 5シリーズの動向がアップデートされましたら迅速にお伝えしてまいりたいと思います。

それでは今回はこの辺で。
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