これまで様々なメガネ型デバイスが世に降臨。でも最近耳にする”スマートグラス/XRグラス”は何が違うの? 視力調整ができるってホント?
XRグラスっていったい何なのさ?
2013年にGoogleが発表した“Googleグラス”は衝撃でした。「ついに未来がやってきた!」ってなドキドキがあった気がします。メガネがドラゴンボールのスカウターにやっと近づいてきた!ってなもんで。。。 純粋なメガネの形ではなく、ヘッドマウントディスプレイと呼ばれる少し大きなデバイスも登場してきました。マイクロソフトのHoloLensやApple Vision Proなど、こちらは凄そうだけど高かったり買いにくかったり、、、。 これに似た形の派生で、Meta QuestやPlayStation VRなども登場。ただ、こちらは手の届く価格帯ではあるもののゲームをしない人には響かないものでした。
これらの「重装備」メガネ型デバイスから少し違う方向に発展していったのがオーディオグラス。Bose FramesやHUAWEI Eyewearなど、ほぼメガネで音楽を聴くことに特化したこれらのカテゴリーは現在でもある一定の支持をもって市場に存在しています。
そして「重装備」型のヘッドマウントディスプレイと、「特化型」オーディオグラスの丁度中間的に位置づけられるでしょうか、この数年で「スマートグラス」と呼称されるデバイスが出てき始めました。以前当ブログでも紹介したFacebookのMetaとサングラスのRay-Banがタッグを組んだRay-Ban Storiesは今でも少しアイデンティティのある商品として存在しているかと思います。メガネにカメラを付けて、そのカメラとAIをつないで音声で情報収集をするというのは意味は違うかもしれませんが非常に「スマート」なエクスペリエンスな気がします。
重装備型と特化型の中間でもうひとつスポットライトがあてられてきたものが本日紹介する「スマートグラス / XRグラス」です。 ちょっと「スマート」と呼ぶには気が引けるというのがホンネ。どちらかというとARグラス的な延長にある「映像を楽しむ」ことに重点が置かれたメガネ型デバイスといっていいかもしれません。室内や外出先で眼前に100数十インチの疑似的大画面を出して映像やゲームなどの画面を没入感を高めて楽しむものです。夢に見たスカウターでもなく、バーチャルリアリティを体験する思いヘッドマウントでもなく、傍から見たらサングラスなのに、その実そのサングラスの先には家の大画面テレビよりもはるかに大きいディスプレイで映像が見えちゃっているという、手軽さと意外性の丁度良い塩梅ってなところなのでしょうか。
メジャーなXRグラスデバイスたち
「サングラスの形状で、疑似的大画面の映像を楽しめる」のを(仮称) XRグラスとすると、現在3社の同等クラスのXRグラスが市場をにぎわしています。似たような効用を宣伝するまがい物に近いものやクラファン系でも似たようなものがありますが、現在手に入るかつ一定以上のクオリティをもつXRグラスです。それが「XREAL」と「Rokid」と「VITURE」です。3社の概要はChatGPT君がまとめてくれたので参考にしてください。
メジャー XRグラスメーカー概要 (クリックで詳細が開きます)
- XREAL(旧Nreal)
- 会社概要
XREALは、中国のスタートアップで、2017年に設立されました。ARグラスの開発に注力し、軽量かつユーザーフレンドリーなデバイスの提供を目指しています。 - 最新製品:XREAL Air 2 Ultra(2024年)
XREAL Air 2 Ultraは、周囲の明るさに合わせてレンズの遮光率を3段階で調整可能な最新モデルです。前機種よりも明るさやリフレッシュレートが向上し、軽量化と重量バランスの改善により、長時間使用しても疲れにくい快適な付け心地を実現しています。 - 独自性
周囲の光環境に応じて自動調光するレンズを搭載。
軽量設計と優れた重量バランスによる快適な装着感。
高い明るさとリフレッシュレートで鮮明な映像体験を提供。
- 会社概要
- Rokid
- 会社概要
Rokidは、中国杭州市に本社を置く企業で、AIおよびAR技術を中心に事業を展開しています。2014年に設立され、B2B向けのARソリューションにも力を入れています。 - 最新製品:Rokid Max(2023年12月) / Rokid AR Lite(2024年5月)
Rokid AR Liteは、より手頃な価格で空間コンピューティングを推進するために開発された製品です。 - 独自性
コストパフォーマンスが高く、広い視野角と明るいディスプレイを搭載。
洗練されたデザインで日常使いに適している。
独自のARプラットフォームを通じて多様なアプリケーションを提供。
- 会社概要
- VITURE
- 会社概要
VITURE Inc.は、2021年にアメリカ合衆国カリフォルニア州で設立されたスタートアップ企業です。ファッション性と機能性を兼ね備えたXRグラスの開発・製造を行っています。 - 最新製品:VITURE Pro XR(2024年5月)
VITURE Pro XRは、最大120Hzのリフレッシュレートに対応した高解像度ディスプレイを搭載しています。軽量設計で長時間の使用でも快適に利用できます。 - 独自性
高解像度(1920×1080)と高リフレッシュレート(120Hz)で滑らかな映像を提供。
軽量設計(約78g)で長時間使用時の疲労を軽減。
度数調整機能(0.0D〜−5.0D)により、視力に合わせた調整が可能。
- 会社概要
VITURE Pro XR
これらの中で私が入手したのが標題の通り“VITURE Pro XR”です。「一番名の通ったXREAL」「ドコモが提携販売しているRokid」という日本でそれぞれの立ち位置をしめた二社ではなく、第三の「VITURE」を選んだのには訳があります。XREALの最新ラインである“XREAL Air 2″は映像の精細性に優れ、周囲の明るさに合わせてレンズの透過率を調整できるという機能がちょっとイケている。 Rokidの主力製品Rokid Maxの代表的な機能に視度調節機能: 度数調整機能があり、ダイヤルを回すだけで視力に合わせた調整ができるというものが。これはメガネマンには魅力的。じゃあ、なぜそんな中でVITURE?かというと、「レンズの透過率調整」と「ダイヤル度数調整機能」その双方を搭載したイイトコどりの商品をだしてきたらからである♡ それが今回紹介する”VITURE Pro XR”です。
そもそもの素朴な疑問
ただ購入前には多少の疑念も。今まで入手してきた黎明期の「眼鏡型・ヘッドマウントディスプレイ型ディスプレイ」だと重かったり、粗かったり、言うほど画面大きく感じないし、面倒くさいし、、、 しかもメガネマンとしてはこういったメガネ型デバイスを利用するときの大きなディスアドバンテージが。自分のメガネとっちゃうと肝心のコンテンツがぼやけて見えなくなるということだったのです。オーディオグラスなどを買っても結局はレンズ交換に出すか、本末転倒だが「メガネ」を使うためにコンタクトを入れなくてはならなかったり。。。結構これ毎度憂鬱。実はスマートグラス系のレンズ交換は一般的なお店だと断られちゃったり、ごく一部の独占販売店に行かないといけなくなるから。なので「レンズを代えなくてもダイヤルでピントが合っちゃうよ!」といううたい文句(さすがにそこまで入っていないが)は非常に魅力的♡ しかも純粋な近眼だけじゃなく、乱視や少し老眼(ナイショ)も入っているので、そんなにうまくいくの??? 的な疑りと、反面それを試したくてうずうずする自分がいるw そんなこんなで結局は手に入れることに。。。(いつものパターン)
オープンボックス!
ということで開梱写真をご覧ください。 海外取り寄せなので日本国内購入と若干違う点があるかもしれません。写真に写っているコントローラー(ゲームパッドで有名な8bitDoとのコラボ)はおまけでついてきました。このメーカーのコントローラーは以前から使っているのですが、私のようなカジュアルユーザーにはとても安定していて良い。
本体に加えて”Mobile Dock”というオプション品も購入しました。詳細は後述。右の写真は開梱用にシールをはがしたら出てきた文言「THE FUTURE IS HERE」こういう演出ってExperience的にとても大事ですね。
しかもメインの箱の開け方が凝っている。ドキドキ感が高まるじゃないですかw
これがメインのボックスの同梱物。左はサイズ違いのノーズパッド。鼻が低くてもずり落ちないように💦 あと驚いたのが説明書系がすべてキチンと日本語化されて併載されていること。マニュアルだけじゃなく箱のクイック説明とかも日本語記載なのでなんか優遇されている感もあって好感。
こちらが本体。左の蔓のつけねの下に操作ボタンがついていてレンズの透過率の調整や輝度と音量調整ができる。 画像下の左右についているのがダイヤル式の度数調整。左右それぞれで調整できるので安心だ。グラス部分が「半目」みたいになっているのはプリズムみたいに表示しているのかな? 知らんけど。上下の視野が狭そうに見えると思うけど、そもそもミックスリアリティ的な使い方よりも、どっぷり映像に集中してというのが大元のコンセプトだろうから上下の視野の狭さはコンテンツを楽しむ段になると何にも気にならなくなる。
Mobile Dockというオプション品。というかこのセットで購入。Switchのドック兼モバイルバッテリーみたいな感じ。SwitchをこのDockに繋いで充電しつつ映像をこのDock経由で本体のメガネに送るもの。SwitchはType-C接続で、それ以外にもPS4/5やパソコンなどからHDMIケーブルをここに接続して映像を送る役目もあり。
メガネ本体の右の蔓後方にアタッチするマグネット式ケーブルを上記Mobile Dockにつなげて遊んでいるイメージがこちら。映像出力機能のないSwitch Liteは不可。初期型Switchや有機ELモデルならOK。バッテリーが付いているので飛行機の中とか外出先でも使用可能だ。
実際に使ってみた (度数調整実験!)
ということで使ってみるのだが、前提としてメガネマンとしては「本当に」メガネ無しでも仮想数メートル先の大画面にピントが合わせられるかが問題であり、これができなきゃ次に進めない。一人の実験じゃ心もとないので私含めてスタッフ三名で試してみました。
- (わたし) 視力0.7くらい。乱視強め?、少し老眼(あくまでナイショ)
- 視力0.3くらいの若者。普段はコンタクト。今回はコンタクトを外して実験
- 視力0.1以下の今回のラスボス。少し老眼なのは書いたら怒られるかも。
聞こえ方や見え方などの五感を人にお伝えするのはかなり難しいのをご理解いただきつつ、口頭での説明になるのだが、結論から言うと「結構優秀!」というか割り切っちゃえば必要十分かも。皆はじめてつけてダイヤルで度数があった際は同じように「おぉ!」と声を出した。2番目の若者はこのグラスを付けてしばらくゲームを楽しんだ後グラスを外したら「あ、急に目が悪くなったみたい!」と本来の視力に戻っただけのはずなのにグラス内では近眼から解放されていたのだ。ラスボスさんも結果「ぜんぜんアリ」との感想。この調整機能はジオプトリー(D) で0.00~-5.00Dの範囲で調整できるので具体的な度数は提示できないが中等度近視までは対応できるのだが0.1以下だと強度近視に分類されるはずなので「それでもバッチリではないけど文字読めた」というのでコンテンツ次第ではこのダイヤル調整でなんとかいけるということなのだろう。で、肝心の私だが、私も「おぉ!」といったクチなのでぜんぜん合格である。ただしこのダイヤルは「乱視補正」まではもちろんしてくれないので、細かい文字のブレは矯正されない。それでもそれは日々の生活の中で「よくあること」レベルのことなのでそれよりもピントがダイヤル回しただけで合致するというのはメガネを作る時の機械でぼやけた映像がピタッと合う感じに近くそれはそれで「気持ちの良い体験」という感じの方が強い。
合わせてもう一つの個人的メダマの「レンズの透過率の調整」は外から見てもわかるこんな感じ。 基本的にはコンテンツを楽しむ際は暗くしていた方が没入感が高い。グラスのレンズ部分が厚く顔と少し感覚があるため手元は常に見えるので、この明るくするという瞬間はMR(ミックスドリアリティ)的なコンテンツが出てきたら必要かな?というくらいで、別売りでさらに真っ暗くするためのカバーも売っているが不要かな?って感じ。
接続互換性リスト
度数調整はうまくいったのでようやくコンテンツを楽しむ段だ。そこで気になってくるのはどんなデバイスに接続できるかである。XRグラス対応デバイスとしての互換性リストが公式サイトのページ最下部に掲載されているのでご自身のデバイスが対応しているか確認してほしい。ざっというと
VITURE Pro XRケーブルを直接接続して映像が見れる
- iPhone 15/16以降 つまりUSB Type-CポートのiPhoneのこと
- 同じくUSB Type-CポートをもったiPad
- MacBook (models from 2015 or later) 等 Mac系もType-C以降ということ? 詳しくなくスミマセン
- Steam Deck等のPC系ハンドヘルドゲームデバイス
- Andoroidは「Alt DP over USB-C」or「DisplayPort over USB-C」対応のUSBポートを持ったスマホ
- PCは「Alt DP over USB-C」、「DisplayPort over USB-C」、「Thunderbolt 4 (USB4)」搭載のもの
となっており、特に注意点は「USB Alternate Mode」などさらにいろいろな表現があってやっかいな「USBポート経由で映像を送信できる機能」がご自身のアンドロイドについているかの確認が必要だということです。これ通常の使用範囲だと聞いたことがない言葉だと思うので上記互換性リストに掲載されていないスマホがこの機能を搭載しているかの判断はそのスマホのマニュアルやホームページで確認する必要があるかと思います。PCの場合は「USB経由で外部モニターに映像を映せます!」的な宣伝文句がよくあるのでそれが判断材料かと。
で、これに掲載されていない”iphone 14″以前のiPhoneや映像出力USBが付いていないノートパソコンやデスクトップパソコン、PS4/5などのゲーム機器、、、これらはどうなのか? ということですが、これらはオプション品購入で対応できます。“iphone 14″以前のiPhoneつまり従来のLightningポートのiPhoneは、VITURE HDMI XR アダプターというアクセサリーを購入すれば接続可能です(別途Apple純正のデジタルAVアダプターも必要)。 PS4/5やHDMI映像出力ポートが付いたPCは上記で紹介したMobile Dockを購入すれば対応可能です。Amazon Fire TV StickなんかもHDMI接続なのでこれでおっけーです。
実際に使ってみた(デバイス別接続実験!)
ということで様々なデバイスとの接続実験ですが、、、、、、、少し長くなってきたので後編での紹介とさせてください。 互換性リストに掲載のない我がXiaomi 14 Ultraは如何に!
今回はここまで、それでは後半をお楽しみに
「XRグラスほんとに使えるのか実際に試してみた!(後編)」はコチラ
想像上の「スマートグラスw」
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