890861698 TAGO STUDIO x 水月雨 MOONDROP / Harmon-SP実機試聴レビュー: 超話題のブランドのコラボレーションが実現。 『優しさがそこにありました。』 - あたらしもん.com 890861698
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TAGO STUDIO x 水月雨 MOONDROP / Harmon-SP実機試聴レビュー: 超話題のブランドのコラボレーションが実現。 『優しさがそこにありました。』

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中華新進気鋭の「水月雨 (MOONDROP)」と高崎に拠点を置く「TAGO STUDIO」がまさかのコラボ。令和の日中合作イヤホンを世に送り出してきました。両者のフィロソフィーは果たして融合して開花するのでしょうか?

TAGO STUDIO x MOONDROP

水月雨 (MOONDROP)

中国・成都を拠点とする新進気鋭のオーディオブランド。シングルDDから多ドライバー構成まで幅広いIEMを手掛け、緻密なチューニングと洗練されたデザインで世界的に高い評価を獲得。独自の技術開発力とコストパフォーマンスの高さで、グローバルなパーソナルオーディオ市場を牽引する寸剤になりつつあります。近年ではイヤホンの領域からヘッドホンやDACなどへ積極的に業務拡大をしています。

TAGO STUDIO

群馬県高崎市に拠点を構えるプロ用レコーディングスタジオ。日本の名だたるアーティストへの楽曲提供で著名なプロデューサー多胡邦夫氏が設立し、地域文化と音楽制作を結ぶ拠点として発展。プロの現場で培った経験を活かし、自社ブランドのヘッドホンやイヤホンを展開。日本的なクラフトと原音忠実な音づくりでファンを魅了しています。国産メイプル無垢材を採用したヘッドホン「T3-01」が有名。

なぜ両社がコラボするに至ったのか?

パッケージに美少女キャラを使用したイヤホンを世に送り出して反響を生んだ水月雨。しかし製品の本質は非常にナチュラルで、デザインにも富んでいながら値段は抑えて、すぐに人気ブランドの仲間入りを果たしました。当方もKXXSで初めて水月雨を知り、家族に「なにそのパッケージ?」といわれながらもその後BlessingやVariationsなどを購入し、さらにいくつかTWSやヘッドホンをそろえていきました。個人的にシンプルな音作りが好きだったのでしょう。いつのまにか増えていった感じです。

そんな水月雨のプロデューサーは中国のお店で見つけた「TAGO STUDIO」のウィスキー樽材を使ったヘッドホンに目を奪われて、さらにその音作りに感銘を受けたそうです。それ以来TAGO STUDIOの製品をそろえ続けていき、両社に通じる「ナチュラルでシンプル」な音が両者を近づけていったようです。 両社のコラボの背景は動画にまとまっていますので是非見てみてください。

Harmon-SP誕生

今回のコラボ製品「Harmon-SP」を語る前に、その兄弟機である水月雨単体で発売されている「Harmon (和鳴)」について紹介しなければならないと思います。

Harmon(和鳴)は2025年5月、MOONDROP初の「XTM-3DD」構造を搭載した新世代フラグシップIEMとして登場しました。ステンレス製のミラー仕上げ筐体を採用し、高級感と耐久性を兼備。内部には3基の10mmダイナミックドライバーを4チャンバーに収め、ガラスドーム複合振動板や水平対向デュアル低域ユニットといった革新的設計を導入しています。これにより低歪みで帯域のつながりが滑らかになり、力強く沈み込むベース、肉厚で自然な中域、伸びやかで刺さらない高域を実現。その後、TAGO STUDIOとの共同開発による「Harmon-SP」が登場し、同技術にクラフト感とモニター思想を融合させた後発の兄弟機として市場に新たな価値を提示しています。

「Harmon-SP」は、TAGO STUDIOの象徴的なヘッドホン「T3-01」に通じる国産メイプル材のフェイスプレートを採用し、外観からもコラボの個性を強調。音作りもTAGOの“原音忠実”思想を反映し、Harmonのウォームで音楽的な傾向に対し、よりニュートラルでモニターライクな方向へ調整されています。デザインとチューニングの両面でTAGO STUDIOの手が加わった、まさにスペシャルエディションといえる存在です。ナチュラルでシンプルな音作りへの共感と、デザインの高次元での融合が形となった瞬間と言えるでしょう。

Harmon-SPスペック

  • 製品名:Harmon-SP 同軸型4チャンバー/3DDカナル型イヤホン
  • 構造:同軸型4チャンバー / 3DDカナル型イヤホン
  • ドライバー構成:
    • 10mm 中高音用ダイナミックドライバー(ガラスドーム複合振動板)
    • 10mm 水平対向型 2DD 低域モジュール
  • インピーダンス:7.5Ω ±15%(@1kHz)
  • 感度:119dB / Vrms(@1kHz)
  • 全高調波歪率:THD ≤0.1%(@1kHz、94dB)
  • 周波数レンジ:9Hz – 60kHz
  • 有効周波数帯域:20Hz – 20kHz(IEC60318-4、-3dB)
  • コネクタ:0.78mm 2pin
  • プラグ:3.5mmステレオミニプラグ、4.4mmバランス標準プラグ

今回のキモは「同軸型4チャンバー / 3DD」というところで、水月雨のこれからの技術的にチャレンジングなものの一つとして挙げられています。確かに2DD構成はよく見ますけれど、3つのダイナミックドライバーを搭載というのはあまり見たことが無い気がします。個人的にはBAよりもDD派なので、ここが楽しみの一つでもあったりします。

また「ガラスドーム複合振動板」というのも他社であまり採用例を見ない画期的なもののようです。

ガラスドーム複合振動板とは

  • 構造:
    • 振動板の中心(ドーム部)にガラスを複合し、周辺部は異素材(高分子フィルムなど)で形成する「ハイブリッド構造」。
  • 狙い:
    • ガラス → 硬度が高く、共振を抑え、分解能や高域の伸びを改善
    • 周囲の柔軟素材 → ダンピング性を確保し、自然なトーンと制御性を維持

→ 結果として「高解像度+自然な減衰感」の両立を狙える設計とのことです。

価格は日本で49,500円前後中国で1,699元($238.2)です。 各社主力製品がひしめく中上位価格帯ですが、ナチュラル&シンプルを前面に打ち出した、他の製品とは差別化意識してそれが成功し得ている製品ではないでしょうか。

オープン・ザ・ボックス

さて、実際に届いた商品を見てみましょう。 今回当方は日本での発売ラッシュに後れを取ったので、急ぎ中国TaoBaoの水月雨公式販売サイトから購入しました。中国で購入後10日弱で届きました。

ぶれない、実にぶれない 美少女キャラパッケージです。これが良くも悪くも水月雨のアイデンティティ。 これが普通のパッケージだったら水月雨の飛躍はどうなっていたのだろう?

こちらがパッケージ裏。 中国からの輸入にもかかわらず日本語表示併載です。

お約束のおまけなのかポストカードが入っています。

内蓋を開けたところがこちら。やはり「シンプルで美しい」。

内容物はコチラ。日本語も記載された説明書、イヤーピースx3サイズ、3.5mm, 4.4mm交換式のコネクタ:0.78mm2Pin 凹型ケーブル(布っぽい素材)、お洒落な両社ロゴ入りケース。 どれも非常にいい感じなのだが、イヤーピースだけもうちょっと何とかなんなかったのかな、、、という気が。今どき透明袋にポイっはないでしょ、みたいな。

そして本体がこちら。 初見では一声『ちっさ!』。 奥行きこそ多少あれ、表面積は今どきのTWSよりも小さいんじゃないかというくらい。そして軽い。長時間の装着でも負担にならない感じです。

耳モデにつけるとこんな感じ。コンパクトさがわかる、、、かな?

内外の反応

国内外の反応をChat-GPTさんに調べてもらいました。

国内外での実際に試聴した人のレビュー傾向

国内レビュー

日本国内で実際に試聴したユーザーからは、まずその革新的な構造やTAGO STUDIOとの共同チューニングに注目が集まっています。 3基のダイナミックドライバーを複数チャンバーに配置した独自設計は、聴感にも反映されており、 「低域は沈み込みが深く力強いが決してボワつかず、中域は肉厚でボーカルの存在感が際立つ。 高域は伸びやかで耳当たりが柔らかい」といった感想が多く見られます。 帯域間のつながりが自然で、長時間聴いても疲れにくい点も好評です。 さらに、メイプル材を用いたフェイスプレートの高級感や、耳に優しくフィットする筐体形状など、 デザインや装着感の面でも高い評価を獲得しています。 所有欲を満たす質感と、安心して音楽に没入できる仕上がりが国内レビューの特徴です。

海外レビュー

一方、海外では実際の音質傾向に関する詳細な評価が多く寄せられています。 まず低域については「ベーシーでウォーム、かつパンチの効いた厚み」が特徴とされ、 二重構造のドライバーによる力強さと制御性の高さが好印象。 「低域は程よい量感がありつつ中域を侵食せず、タイトで輪郭のはっきりしたベースを再現する」との声もあります。 中域は「ボーカルが前に出て温かみがあり、透明感と滑らかさを兼備」と評され、 特にジャズやアコースティック系の楽曲で自然な存在感を放つと評価されています。 高域は「伸びやかで透明感がありつつ、刺激感が抑えられていて聴き疲れしにくい」とされ、 ディテールの表現力よりもトーンの上品さを重視する傾向が見られます。

サウンドステージに関しては「広大ではないが自然で、まるで小規模なジャズクラブにいるような没入感がある」との記述があり、 定位感よりも音楽の雰囲気を伝える点に強みを持つとされています。 パッケージ面では高品質なケーブルやキャリングケース、イヤーチップなど付属品の充実さも高評価でした。

ただし一部の海外レビューでは、総合スコアを6.5/10とするなど辛口の意見もあり、 「同価格帯の中では抜群に優れているとは言えず、むしろ下位モデルとの差別化がやや弱い」との声も挙がっています。 特にコストパフォーマンスに関しては、Aria 2 REDやNovaなどの下位モデルと比較されやすく、 「音質は確かに良いが価格を考えると突出感に欠ける」との評価も散見されます。

総じて海外ユーザーの傾向は「音質そのものは温かみがありバランス良好で、装着感や質感も優秀。 ただしコスト面の評価には分かれる」というものでした。 国内では技術革新と完成度の高さが評価されるのに対し、 海外では価格と実力のバランスをよりシビアに見極めている印象が強いと言えるでしょう。

試聴雑感等

実際半日ほど聞きこんでみました。エージング等はしておりません。

優しいです。柔らかいです。暖かいかどうかは分かりませんがカドが無い音が心地よいです。

いろんな楽曲で試してみましたが、内外のレビュー同様『中域のボーカルが前面に出る』という実感が高いです。特に無音からボーカルのみが発せられるような楽曲では「ハッ」とさせられることが多かったです。男性ボーカル、女性ボーカルとも優劣は個人的には感じられませんでした。どちらも柔らかく誇張なく聞こえてくる感じです。変に脚色をして人工的なメリハリを付けている感じが無いところが好印象でした。

自分はプロの音楽レビュアー様のように難しい表現はできないですが、通常は直観的に『これ、気持ちイイ!』感でイヤホンを選んでいるような気がします。 世で人気のイヤホンを聴いても「これつまらない」感を感じるともうだめです。最近ではパナ○ニックの最新TWSがそれでした。

このHarmon-SPもどちらかというと昨今人気が出がちな「弱ドンシャリ」型ではないですし、多くの方が口にする「低音の響き」部分も誇張していない自然な低音です。 ただ、いつもの水月雨に比べると低音が来ている気もします。

作曲家でもあるTAGO STUDIOの多胡さんは、『ミュージシャンが届けたい音を届けるためにTAGO STUDIOを設立した』そうです。なので楽器でも使われている木材を使ってヘッドホンやイヤホンを使っているとも。 この『ミュージシャンが届けたい音』というのが誇張されていない、特に高音をピーキーに派手目に奏でる音にしていないところなんだと思います。

好みは分かれるかと思いますが、他の人気IEMでは感じられない音や音の広がりが感じられる、唯一無二のIEMなんだと思います。

装着感も格段に軽くてストレスないので、心を落ち着かせたいときなんかにゆっくり使うイヤホンとして手放せなくなりそうです。

まとめ

水月雨がTAGO STUDIOとコラボしたと初めて聞いたときは驚きの後に変な納得感というか、「美少女キャラが日本へのオマージュ」として語られることの多い水月雨と、水月雨と同じように「シンプルでナチュラル」な音作りをするTAGO STUDIOがであったというのがすぐ腹落ちしたのかもしれません。

実際そのデザインも音作りもそれを裏切りませんでした。 お互いをリスペクトしあっているコラボレーションというのはまさにこういうものなのだろうなという感じです。

昨今の円安で、日本では5万円近くなってしまう製品ですが、本国だと$250もしない手頃な値段で『TAGO STUDIOの製品』(じゃないけど)が手に入るのは素直にうれしいところです。

『プロの矜持が詰まった逸品』 それこそがこの「水月雨 MOONDROP x TAGO STUDIO Harmon-SP」なのではないでしょうか。 良い製品に巡り合うことができました。

ということで、今回はここまで。それではまた!



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TAGO STUDIO(タゴスタジオ)

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