新世代のヘッドホン? イヤホン・ヘッドホン・スピーカーのイイトコどり。 それが、Cleer Clip 星弧 – ジュエリーをカスタマイズ可能なお洒落オーディオだ!
それは突然やってきた
以前、このCleer Clipの登場を速報レベルでお伝えしたが、そこでも触れた通り『それは突然やってきた』。 この手の商品はある程度事前に紹介されていたり、本意か不本意かリーク情報が流れていたりして、ある程度発表前に情報があったりするもの。 しかし、Cleer Clipに関しては個人的にはかなり不意打ちだった。 “なんだ? このタイトルバックに写っている流線状のものは??”

同時に発表されたCleer Arc 5は、言わずと知れたワイヤレス・オープンイヤー・イヤホン最高音質を誇るArc3の後継で、いつかは出ると思われていたものがArc3発表の1年後に順当に発売された。こちらもArc3同様、これからいろんなエディションが出てくるそうだ。
その発表会で突如発表されたのがこのCleer Clip 星弧。 Cleerの新製品としてイヤーカフタイプのイヤホンなどが出るのかなと思いきや、意表を突かれた『イヤホン女子(イヤ女)向け』のワイヤレス・オープンイヤー・『ヘッドホン』って言うんだから、二度驚きってなもの。 かなり意表を突かれた。

Cleer Clipとは
ジャンル的にはCleer自身も『ヘッドホン』という位置づけで押している。Cleer Chinaのホームページでもイヤホンカテゴリーには存在せず、ヘッドホンカテゴリーで紹介されている。 と言っても従来我々が考えるところの『ヘッドホン』にあらず、以前一世を風靡した骨伝導イヤホンの蔓を90度頭のてっぺんに回した感じというか、80-90年代のウォークマンのオレンジのオンイヤーヘッドホンの耳当て部分を薄く硬化した感じというか、いずれにしても『ヘッドホン』には到底見えない。 ただ従来の『ヘッドホン』のようにアーム部分は伸縮できるし、耳当て部分は90度回転できるので昨今の気の利いたヘッドホンのように携帯性が上がるようにもできている。
ただ我々の想像するところの『重厚なクローズドバックヘッドホン』のように耳をすっぽり覆うタイプではなく、先ほどのウォークマン用のオンイヤータイプのヘッドホンのように耳にそっとかぶせるタイプに近い。単なるヘッドホンというものではなく、「Arc3の耳当て部分を細いヘッドホンアームで繋げました、なのでイヤホンじゃなくヘッドホンです!」っていう感じなのかもしれない。

スペック等 (Cleer Clip ファッション エディション)
実機確認の前にまずスペック等をおさらいしておきたい、といってもかなり情報ソースが少なく、オフィシャル販売ページと、TaoBaoなどの販売サイト および実機のパッケージなどの情報をまとめた感じ。 このあと様々なバリエーションが発表されそうなので今回は実機が用意できた『ファッション版』の紹介なり。
- とにかく軽い、本体40g(従来のヘッドフォンの1/6~1/10未満だそうだ)
- 厚さもわずか12.6mm
- 駆動時間は本体のみで8時間、ケース込みで32時間と割と持つ感じ?
- 防水はIPX67等級なので、水辺でも安心
- サウンドユニットは16.2mmダイナミックスピーカー
- Bluetoothやサウンド系スペック
- Qualcomm Snapdragon S3 オーディオ プラットフォーム搭載
- Bluetooth 5.4
- Codec: aptX Lossless, aptX Adaptive, AAC, SBC
- LE audioもサポート
- 新しくアップグレードされた(?) ドルビーサウンドエフェクトをサポート
- THX研究所によって認定された世界初のTHXシネマグレード オープンバックヘッドホン
- Cleer の常時聴覚テクノロジーで 路上、カフェ、オフィスなど、どこにいても一貫した聴覚体験が保証される(?)
- フェミニン系機能
- 高画質のメイクアップミラーでいつでもメイク直しが可能
- 充電ボックスには交換可能なフレグランスシートがセット可能
- カスタマイズ可能なDIYアクセサリコンポーネント(ジュエリー等)のアタッチに対応
アクセサリー / ジュエリー カスタマイズ
なんといっても本機の一番の特徴がこれ、『カスタマイズ可能なファッションアクセサリーアタッチメント』がついていて、アタッチできるアクセサリーの提供において様々な3rdパーティーブランドとのコラボも予定されているとの事。 ただアタッチメント接合部分は『ぶっちゃけただの丸い穴』なので、ピアスほどの細い棒状のものであれば市販品でも設置できるかな、と。 ただ先日の発表会でも内外のかなりのファッションブランドがコラボレーションを表明してサンプルアクセサリーが展示されていたので、今後多くのアタッチメントが販売されていくことになるのであろう。 試してはいないが本体の表面カバーも取り外し可能なようなのでジュエリーを加えるだけでなく、独自のカスタマイズが可能になるのではないかと思う。 以下は製品に付属していたデザインサンプルをスキャンしたものですが、オーディオとファッションの融合『audishion』の神髄ここにあり、という感じだ。


オープン・ザ・ボックス
さて、ジュエリーアタッチメントの件は後に置いておいて、まずは本体の開梱だ。 今回は一番最初に売り出されたファッションバージョン “オーロラブラック” をご紹介。 Cleer 中国版のお約束の中国著名人のイキった顔写真パッケージ。 黒だからだろうか男性の音楽家の写真だ。

パッケージ背部がこちら。 様々なロゴが並んでいる。 後述するがここに並んでいるロゴのうち、現段階でTHX, AAC, LE audioの実装が当方では確かめられなかった、、、

内装を開けたところがこちら、ついに本体とご対面。 ・・・・・ なるほど、オーロラブラックだ。 表面に指紋が付いてしまいがちなサーフェイスというところが残念ではあるが、恐らく多層構造になっているのだろう、オーロラ光のする表面は見ていて美しく、モノを持つ喜びを感じさせてくれる逸品だ。

本体同梱物がこちら。 よくある説明書とUSB充電ケーブル以外に見慣れないものが2つほど。 右上緑で囲っているものが上記スペック紹介でも触れた『フレグランスシート』なるもの。 こちら使っていないので不明だが、蓋を開けた瞬間の香りを楽しむものか、耳の臭いを消すためのwものかはわからない、、、
また、右手の赤で囲ったものがその左下にある説明書に記載がある通り『側頭への圧迫感を和らげるクリップ』らしい。 実際本体を長時間着けても特に痛くならなかったので必要性は分からないが、中には長時間装着での圧迫感のため音楽を聴き続けられない人がいるであろう、そういう人のためにこういった器具がデフォルト装備されているというのは非常に好感が持てる。

初めてご覧になる方はずっとモヤモヤ感があったであろう、突っ込みどころのある本体inケースの形状。 今まで全くなかったわけではないだろうが、それでも本体ヘッドアーム(蔓)の部分が丸々はみ出ている形状のケースの製品とは『はじめまして』だ。 しかも恐る恐るはみ出しているのではなく、ドヤ感満載で『はみ出させている』のだ。

後述するがヘッドアームの部分はある程度頭の大きさに合わせて伸び縮みするのだが、収納時にこのはみ出しを隠すためにググっと縮めるといったことは無い。『By Design』です、といった自慢の意匠なのだろう。 ハンドバック形式とでもいうのだろうか・・・

手元にあったCleer Arc 3と比べてみた写真がこちら。 Arc3のケースが割と大きめということもあって、Arc3と比べると二回りほど小さい感じがする(あくまで本体収納部分のみだが)。 実際このケース部分自体は非常に小ぶりで、ガジェットとして非常に『ちょうどええ』大きさである かなり私見だが。

ケースを開けたところがこちら。 いろんなところが映り込んじゃったりしそうでこの手の商品の撮影は非常に厄介だw 蓋の裏面に割としっかりしたおもちゃ感のないメイクミラーが付いていて、その下の長方形のくぼみが前述の『フレグランスシート』を置く部分だ。 その下にリセットボタンが付いている。 イヤホン本体部分は90度角度を変えられるので、90度曲げた状態でしまうこととなる。

本体を取り出して、装着状態に合わせて耳元を90度に曲げたところがこちら。 何と言ったらいいか、シェープ感が非常に滑らかでセクシーだ(小泉並)。

この上記の写真でお気づきの方もいらっしゃったかと思うが、例のジュエリーアクセサリーアタッチの秘密がこの写真に写りこんでいる。 おわかりだろうか?

写真の角度が変わってしまったのでわかりにくくなったかもしれないが、そう、イヤホン本体耳当て部分の下部に『丸カン』と呼んでよいだろうか?金属の留め金がねじ止めされていて、精密ドライバーなどを用いて、アクセサリーの形に合わせ向きを調整して装着できるということだ。 ピアスの針やフック上のものを付けるというのが一番合っているように見える。 いずれにしても角度を調整できるようなフレキシビリティがあるとは思っていなかったので、こういった部分にもちゃんとこだわっていることに非常に好感が持てた。
そしてこちらが実際に装着してみたところ。 モデルさんに着用してもらった。 左がアクセサリーを装着していない全体像的シーン、右がアクセサリーを付けたアップ画像。

いかがでしょうか? まず『ヘッドホン』としての主張や圧迫感は全くなく、この耳に沿った流れるラインが耳回りの存在感をうまく消して、ヘッドバンド部分も「あぁ、こういうものか」という納得感で飲み込める許容量と感じた。 アクセサリーの実際の『目立ち度』だが、普通のイヤリングやピアス同様、一般的な髪の長さであれば髪に隠れてチラ見えする程度なので完全に『ファッション』の範疇かと思える。
では一般的に髪が短めの男性が着用した場合はどうだろうか? 冒頭のパッケージ写真でも出ていたCleerのモデルとして採用されている昭和歌謡のような著名人2人の写真を見ると・・・・・

通常のヘッドホンと違ってヘッドバンドが細いため、髪の毛の中に隠れて『思ったほどヘッドバンドが目立たない』というか『見えない』ことに気付かされた。 むしろ個人的に着用してArc3などのイヤーフックタイプだと気になる耳裏のモジュールがないことがかなり快適で、イヤーフックタイプで度々起こる皮膚かぶれもこのCleer Clipの形状だと一切発生しないことがかなりうれしい発見だった。
また個人的にさほど頭が大きい方ではないからかもしれないがイヤな締め付け感は一切なく、付属の締め付け感を緩和するクリップを付けることがなかったことを付記しておく。
試聴雑感
まず視聴環境だが、Xiaomi 15 Ultraグローバル版に接続しての試聴とした。
- Bluetooth接続は何の問題もなく接続完了 (デフォルトでaptX adaptive)
- インストール済みだったCleer+アプリで設定を試そうとしたがリストに現れず
- ま、とりあえず聴いてみるかとTidalで適当な曲を流してみる
- ・・・・・なんじゃこりゃ? いや音が良い悪いではなく、何か包み込まれるような音にびっくり
- 何とかネットを調べて中国に新しいバージョンのappがあることを発見(日本2.0.36 中国2.0.43)
- 中国で見つけたappだと無事Cleer Clipがリストとして現れ無事認識
- そこで『包み込まれる音』の原因を発見。 デフォルト設定で”Dolby Atmosの映画モード”になっていた
- これを解除して普通のモードや、Dolby Atmosの音楽モードだと違和感がないことに安心
- 色々アプリを調べると発見がいくつか
- Bluetooth設定画面でもアプリでもコーデック変更設定がない(aptX adaptiveのまま)
- LE audioっぽい設定も一切見当たらず
- 空間オーディオはDolby Atmosのみ。 THXの設定は見当たらず
- デュアル接続系の設定も見当たらず
- AI機能も「ちょっとまっててねー」系のメッセージがあって体験できず
- それ以外はEQはフィックスモードもカスタムモードも問題なく機能
- タッチパッドカスタマイズやファームウェアアップデート機能など
- 実際v1.7.87→v2.0.87へアップデートが発生
- 数字的にメジャーバージョンアップ感があったので期待したが、、、よくわからず仕舞い。。。

というアプリ確認実施後に落ち着いて聞いてみたが、
- 前述の着け心地の良さからくる『何時間でも聴いていられる』が、音のチューニングにも当てはまるようで、本当に何時間でも無理なく聴いていられる音であると感じた
- 疲れない音というか、嫌みのない音、刺さってこない音であることが、安心感にあふれて包み込まれているようだった
- 逆を言うと、低音重視、疾走感重視、みぞおちに来る迫力重視のような用途には向かないと思った
- ただ何というか、カナルタイプのイヤホンや耳をすっぽり隠す本格的なヘッドホンではなく、どこかの商標でないといいが『耳元スピーカー』という言葉が一番しっくりきた
- 『ファッショナブル・アクセサリー・ヘッドホン』という女性的なカテゴリーの商品であると考えると、マス的にやはり柔らかく、優しく、包み込まれるように聴くことが出来る本機の特性が合うのかと思った
- 一点、この手の商品でたまにあるが音量の確保にパワーが必要とされるのか、かなり音量レベルを取られることが気になった。もちろんシーンや人によるだろうが6割を超える音量確保のイヤホンはあまりないのでそこが気になった
ここら辺が気になったところではあるが、個人的にはかなり、それも最上位レベルで気に入った商品だった。 何より着け心地が良く音の質がそれにあっているところが昨今の自分のニーズにかなり腹落ちした。 今はながら式で音楽を聴くことが増えて、重厚な聴き方が減ってきているからかもしれない。
さすがにアクセサリーをフリフリつけて外出先で見せびらかしながら聴くことは憚られるが、自宅で何かしながら音楽に身をゆだねる時は現状このCleer Clipでの試聴頻度が筆頭に上がりつつある。耳も痒くならないのも大きいしw
一方で、今後アクセサリー装着の文化が音楽視聴シーンでどこまで市民権を得るのかも気になった。 下記のようなアクセサリーが出たとしても結構つける人を選ぶよなー、とも思うのであった。。。

まとめ & News!
今もこのCleer Clipで音楽を聴きながらこの記事を書いているが、誤解しないでいただきたいのだが『決して迫力がないヘッドホン』だとは言っていない。 『ドスンという音楽も気持ちよく聴かせるヘッドホン』であるように感じたということだ。 なのでオールジャンルをこのヘッドホンでしばらくは試そうと思った。 たまには派手過ぎないアクセサリーを付けて外でも試してみますかな。
なお、この商品は恐らくしばらくは日本で発売されないであろうことを踏まえ、限定一台ではありますが、このCleer Clipを販売しようと思っています。姉妹サイト(紹介商品販売サイト) 『ほぼ・あたらしもん』で販売予定ですので、お見逃しなく!
それでは今回はこの辺で!

技適マークがない無線通信機器を日本国内で使うと電波法違反になる恐れがあります。特例制度(技適未取得機器を用いた実験等の特例制度)を利用し、ウェブサイトでのレビューや実験・試験・調査によるものが対象であることを明示した上で総務省に届出をすることによって合法的に技適マークがない無線通信機器を使うことができます。ご注意ください。
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