オープンみたいなセミオープン!? 新ジャンルのイヤーカフタイプイヤホン登場!
【Update】日本で発売開始!
日本でもグローバル版(LDAC対応)をベースに販売が開始されました! 既に白は売り切れてる??
こちら見くびっていました、というか不意打ちくらいました。。。
年始から一か月ほどいろいろございまして、ブログ更新はお休みさせていただいておりました。先週くらいからAIいじりを再開し始めて勢いが出てきたこともありブログ更新再開しようと思います!様子を見ながらのゆっくりになると思いが、ご容赦ください!
で、新年一発目はEDIFIERが中国本土でリリースしたばかりのイヤーカフ“EDIFIER LolliClip”のご紹介です。昨年来一気にジャンルが確立されたイヤーカフ/イヤークリップタイプの多くのイヤホンに良くある一つくらいかと思って他のショッピングのついでに取り寄せたくらいのレベルで、あまり事前情報がなかったこともあり、あけてびっくり! 冒頭にもある通り「不意打ち」をくらってしまいました。
購入の際にも「开放式也有降噪啦」と記載があり、『あー、最近たまにあるノイキャン(ぽい)のついてますよー』的なイヤーカフなんだろうなと少し目に留めてはいたのですが、これちょっと新しいスタイルのイヤーカフでした。どんなことかというと、
“Apple AirPods + Huawei FreeClip = EDIFIER LolliClip”
だったんです。。。

新ジャンル? インイヤー/セミオープンタイプのイヤーカフ
一口に完全ワイヤレスイヤホンといってもいくつも種類があるのは周知のとおり。
- AirPods Pro, Edifier NeoBudsのような耳穴にねじ込むカナルタイプ
- AirPods, Xiaomi Buds 5のようなインイヤーとして耳穴に差し込むセミオープンタイプ
- Creer Arc 3やXround TREKのような耳掛け式のイヤーフックタイプ
- FreeClipやBOSE Ultra OEBのような耳に挟むイヤーカフ/クリップタイプ
などなど、多少の形は違えど大体これらのカテゴリーに分けられて、音質・静寂重視とか外音把握重視などそれぞれの利点をニーズに照らし合わして使い分けているかと思います。そんな中で最近続々と発売されているのがFreeClipを代表するイヤーカフタイプで、装着感の良さで人気を博してきています。一方のカナル型はノイキャン搭載がほぼ当たり前となっており、種類は少ないもののもう一方のインイヤー/セミオープンタイプですがAirPods4やXiaomi Buds 5などもセミオープンながらノイキャンを搭載し始めて、ノイキャンの便利さと装着感の軽さの両立を図ったりしています。
で、今回のEDIFIER LolliClipはこのセミオープンタイプのイヤホンの先端をイヤーカフの耳挿入部分にぶっこんできたといった感じになっており、『イヤーカフタイプながらノイキャンを搭載』という他では見ない強いアイデンティティをもって世に出てきたのです。通常であればイヤーカフタイプのイヤホンは「オープンタイプ」であるのが普通なのですが、これは「インイヤー/セミオープンタイプ」のイヤーカフイヤホンということになるんだと思います。実際に耳に入れた写真をご覧ください。

インイヤー/セミオープン+イヤーカフの利点と、失うもの
インイヤー/セミオープンタイプのイヤホンの先端をイヤーカフの耳挿入部分にぶっこんできたきたことによる利点を考えてみました。いくつかあると思いますがその代表的なものとして、
- インイヤー/セミオープンタイプなのに落ちちゃう心配がいらない
- インイヤー/セミオープンタイプなのでノイキャンを組み込める(完璧じゃないけど)
このうち1番は個人的にずっとモヤモヤしてきたもので、上でも触れたXiaomi Buds 5というセミオープンタイプのイヤホンも持っていて、ある程度ノイキャンも効くので耳奥に入れ込まないイヤホンとして嫌いじゃなかったんだけど、いかんせん「ぐらぐらする」のなんのって。イヤーピースも大抵Lを選択する耳の大き目な当方だからこその悩みとして、インイヤー/セミオープンタイプのイヤホンは『つけていて落ち着かない』という音楽を聴く以前の問題で結局敬遠しがちになってしまっていたのです。なので『耳奥に入れないイヤホンだけど、落ちる心配がいらない』ってのは割と画期的で、それだけでとても気になる存在として個人的な注目を浴びるのでした。
2番目の(完璧じゃない)ノイキャンですが、上記Xiaomi Buds 5もそうでしたが、インイヤー/セミオープンタイプのイヤホンはイヤーピースを付けないのでどうしても耳穴とイヤホンヘッドの間に隙間ができてしまい「パッシブノイズキャンセリング」効果がない分、カナルタイプの耳穴にねじ込むタイプと比べてノイキャンの効きは劣ってしまうのが現実です。なので(完璧じゃない)というかっこ書き表記なのです。Xiaomi Buds 5も室内のエアコンやPCノイズなどは消してくれるものの、路上や交通機関でのノイキャンとしては基本的には使い物にならない感じでした。でも室内である程度の集中ゾーンに入るには十分なので使い様といったところなんだと思います。
利点がある一方で失うものもあるんだと思います。それが、
- 耳をある程度塞いじゃうことでイヤーカフタイプの利点を削っちゃう
イヤーカフタイプの一番の利点と言えるのが「外音が効きやすい」「音楽などと外音が共存できる」ということがあったと思いますが、上記の利点の理由でもある『ある程度耳を塞ぐ』ことが逆にこのイヤーカフの利点を多少なりとも抑え込んでしまう結果にもなっちゃかもしれません。その対策としてこのLolliClipにはカナルタイプのイヤホンの機能としても標準的な「外音取り込み」セレクトもできるようになっており、生音ではないものの外音を音楽などと共存させる方法は存在しています。ただこれはイヤーカフタイプの利点としてではなく、カナルタイプのイヤホンの機能が使えるということなんだと思います。逆を言うと耳を塞がないイヤーカフだからということで車を運転したり自転車に乗ったりしていた方も多いと思いますが、Lollipopの場合はこういった利用がかなり黒に近いグレーになってしまう恐れがあると思います。
オープン・ザ・ボックス
ということで前置きの後はいよいよ開梱です。箱としては比較的シンプルで、同梱物もマニュアルと短いUSB充電ケーブルくらいでした。右上のLHDC192のロゴが光っています(後述)。なお今回当方が仕入れたのは、限定色薄荷绿(ミントグリーン?)という限定版で、中国人男性タレントの声のナレーションがデフォルトになっています(いらんがな)

ケースと本体です。Ediferのワイヤレスイヤホンの低価格ラインにありがちなのですが、このイヤホンもケースがでかい!ぶあつい! Huawei FreeClipとの比較も掲載します。イヤホン本体部分も構造的に違うとはいえFreeClipよりは大きめですね。

ついでにバーチャル耳(?)のみみーくんに装着したところも掲載します。いかがでしょうか? 純粋イヤーカフタイプとの違いがお分かりいただけますでしょうか?

スペック紹介
今回は前置き等でいくつか本製品の利点等でスペックの一部を紹介いたしましたが、この製品の3大スペック(3大特徴)は以下の3つだと思います。
- イヤーカフタイプでありながら、アダプティブアクティブノイズキャンセリングと外音取り込みを搭載
- ハイレゾコーデックである、LHDCv5/LHDC192を搭載
- 音を耳奥に確実に届けつつ装着感の軽いインイヤー/セミオープンと着け心地の良いイヤーカフのイイトコどり
それ以外の主な特徴は以下の通りです。
- 没入型空間オーディオは、ヘッドトラッキングによってリアルタイムに適応
- インテリジェントなオーディオ チャンネル検出により、どちらの側でも交換可能な装着が可能
- 指向性音響技術により音漏れを最小限に抑え音質を向上
- チタンムービングコイルユニット 複合ダイアフラムを備えた 13mm ダイナミック ドライバー
- EQはプリセットのみ(3種類)
- 3+3 マイクと AI アルゴリズムにより、非常にクリアな通話
- IP56 の防塵・防水性能
- マルチポイント接続
- 心拍数や血中酸素検出、排水機能
- タッチはツルの部分なので快適!
- BT:v5.4, CODEC: SBC/AAC/LHDC v3/LHDC v5 (Global版はLDAC?)
- 再生時間: 約8時間(イヤホン本体)約32時間(本体+充電ケース)
- 重さ:7g (イヤホン本体) 59g(本体+充電ケース)
上記の3大特徴以外で面白いのが、心拍数と血中酸素濃度をアプリから測定できる点でしょうか。常時検出はできないのでアプリから測定ボタンを押したときの単体測定だけです。また以前紹介したEdifier R1/Edifier Comfo Clipにも搭載されていた『不意の雨とか汗とかの水がイヤホンの穴の中に入っちゃったときに「水を排出するよ!」って機能、ブルブルさせるだけだけどね!』っていう機能wもついているのでいざという時にも安心ですwww

いざ、試聴。3大特徴を検証。
で、もとにもどって3大スペックのひとつ、ノイキャンについては部屋だとエアコンなどの環境音をある程度隠すものの、屋外での騒音は多少の低音は抑えるもののノイズを消すまでには至らない。風切り音が少し気になる。外音取り込みはかなり自然でイヤーカフタイプとそん色ないといっても過言はない。って感じでした。外出先でのBluetoothの切断はゼロではないもののかなり切れなかった方です。ノイキャンと外音取り込みはどちらかの排他で両方オフはできません。外音取り込み時の音質の劣化はほとんど感じませんでした。
コーデックについては前述の通りハイレゾコーデックとして中華圏のTWSで良く採用されているLHDCに対応しており、かつ以前ご紹介もしたLDACを超えるサンプリング周波数192kHzに対応しています。イヤーカフタイプにハイレゾコーデックが載ること自体多くはないのに、LDACを超えるハイレゾコーデック対応にしてきたのは驚きです。
効果の程ですが片耳にLolliClip(LHDC192)、もう片方にはHuawei FreeClip(AAC)をつけて同じ音源、同じプレーヤーでハイレゾFLAC音源(96/24)を同時に聴いてみるというバカな実験をしてみました。結果的にはLolliClipの圧勝。割り切りのFreeClipに対して納得のLolliClipというレベチの音質差を感じました。FreeClip自体音の良さは定評がありますがどうしてもスカスカで高音が軽くなって低音が届きにくい感じは否めません。一方のLolliClipはへたな高音質カナルイヤホンは軽く超えてくるほどで、明らかに情報量が多く縦にも横にも厚みが出てきて、そこに抜ける高音に広がる低音が乗っかってくるという感じ。EQはいらないくらいでした。
ただこう言った高音質はコーデックだけの差ではなくインイヤー/セミオープンタイプのイヤホンの形状である耳に突っ込むことによる音がダイレクトに届くという特性もかなり寄与しているのかと思います。ただこのインイヤー/セミオープンタイプの形状の特性の一つでもあるのですが、かなり外部の音は聞こえるのでしっかりと音楽を聴きたいときのカナル型の静粛性を求める際には最適な選択でないことは確かです。一方でカナルタイプに近い装着感という3大特徴の一つがあるためTPOやニーズでの選択なのかな、と。

まとめ
ここまでEdifierの新作Edifier LolliClipをご紹介いたしました。昨今のトレンドである着け心地の良さと外音との共存が可能なイヤーカフタイプのメリットと、高音質享受のために耳穴にイヤホンをねじ込むことなくある程度外音も自然に感じることのできるインイヤー/セミオープンのバランスの良さを併せ持った非常に良いコンセプトのイヤホンだと思いました。これでいて中国では限定版でない黒と白のバージョンであれば679元(US$94)という日本円にして1.5万円以下で手に入るのですから非常にコスパもよい商品かと思います。日本での発売も望まれるところかと思いますが、EdifierのグローバルサイトでLHDCをLDACに変更したバージョンを紹介しているので、もしかしたらもしかするかもしれません。(2/17追記:日本でも販売開始確認しました!)
『より良い音をより気軽に』Edifier LolliClipは、カナル型の耳への負担を嫌ったり、インイヤー/セミオープンの装着感の悪さにストレスを感じたり、イヤーカフやイヤーフックタイプのイヤホンに更なる音質向上を求める人、、、そんな人に一聴していただきたい商品だと思いました。当方も気軽に音楽を楽しむツールとして選択肢のヒットに上がってきた逸品になりました。しばらく使い続けるつもりです。

ということで、今回はこの辺で。それでは!
技適マークがない無線通信機器を日本国内で使うと電波法違反になる恐れがあります。特例制度(技適未取得機器を用いた実験等の特例制度)を利用し、ウェブサイトでのレビューや実験・試験・調査によるものが対象であることを明示した上で総務省に届出をすることによって合法的に技適マークがない無線通信機器を使うことができます。ご注意ください。
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